外務本省

松島みどり外務大臣政務官のフランス及びスイス訪問
(概要)

平成19年1月

 松島みどり外務大臣政務官は、昨年12月16日(土曜日)から23日(土曜日)までの間、フランス(パリ及びストラスブール)及びスイス(ベルン)を訪問したところ、概要以下の通り。

1.日程等

〈松島みどり外務大臣政務官の日程〉
日付 時間 内容
12月16日(土曜日) 午後 パリ着
12月17日(日曜日) 午前 赤木画伯との懇談及び「SNBAサロン2006」展視察
12月18日(月曜日) 午前 松浦ユネスコ事務局長との会談
パリ文化会館視察
午後 グリアOECD事務総長との会談
赤阪OECD事務次長との会談
12月19日(火曜日) 午前 ジェローム・パスキエ仏外務省国際協力開発総局次長との会談
午後 ストラスブール着
12月20日(水曜日) 午前 ブキッキオ欧州評議会事務次長との会談
12月21日(木曜日) 午後 ベルン着
アンビュール・スイス外務次官との協議
12月22日(金曜日) 午前 フーバー=ホルツ・スイス官房長官との会談
午後 ベルン発
12月23日(土曜日) 午前 成田着

2. 要人との会談等(主な内容)

(1)赤木画伯との懇談及び「SNBAサロン2006」展視察

 SNBAはパリで行われる代表的な公募展覧会の一つであり、松島政務官はSNBAの名誉副会長を務める赤木画伯の案内により展示を視察した。冒頭、同画伯の作による「ヴァンドーム広場」の絵画の前で、同画伯がつくり上げた技法等の説明を受けた後、6人の新進日本人画家の作品がまとめて展示されている「日本代表コーナー」をはじめとして、トルコ、韓国、中国の代表コーナー等を順次鑑賞した。

(2)松浦ユネスコ事務局長との会談

1)松島政務官より、松浦事務局長の就任以来の活躍に祝意を表し、スポーツ、特にドーピング禁止の面でも新たな条約作成という取り組みを行っていることを評価しつつ、我が国において東京が2016年のオリンピックの開催候補地となったことを説明した。

2)これに対し、松浦事務局長より、従来は、スポーツの国際的活動は、IOC(国際オリンピック委員会)など民間団体が中心となって行ってきたが、ユネスコによる条約作成により、各国政府が責任を負うことになる点、及びドーピング禁止を教育にも反映させる点が、新たな点であると述べた。

3)さらに、松島政務官より、無形遺産条約は、松浦事務局長の大きな功績の一つであるが、我が国は来年の無形遺産委員会に向けて議長国を務めるので、できるかぎり貢献していきたいと述べた。

4)松浦事務局長からは、特にアフリカを初めとする途上国に数多く存在する素晴らしい無形遺産を保存するためには、2003年に採択された無形遺産条約を適切に実施するためのルール作りが重要であり、議長国としての日本の役割に期待する旨、また、日本については、地方に根づいた無形遺産も多いので、これらを将来、同条約に基づく無形遺産として推薦するための準備を開始されることを期待したいと述べた。

(写真)(松浦ユネスコ事務局長と松島政務官)

(松浦ユネスコ事務局長と松島政務官)

(3)パリ文化会館視察

 パリ日本文化会館は、日仏および日欧間の幅広い対話と交流の場とすることを目的に、1982年のミッテラン大統領(当時)と鈴木総理大臣(当時)との首脳会談における合意に基づいて設立され、1997年に開館した。日仏官民合同プロジェクトの考えの下、民間の協力を得ながら国際交流基金のパリ事務所として運営されており、展示、舞台公演、映画上映、講演会、図書館等を通じて各種日本文化の紹介、日仏交流の場として活躍し、来年は開館10周年を迎える。
 松島政務官は中川館長による同会館の概要説明を受けた後、同館長及び岡副館長の案内により、会館内の各種施設、現在開催中の「型紙とジャポニスム」展を順次視察した。

(4)グリアOECD事務総長との会談

1)グリア事務総長より、本年7月に訪日した際には、小泉総理大臣(当時)、麻生外務大臣を含め、多くの閣僚にお会いでき、非常に有意義な訪問であった、新内閣が発足したことを受けて、明年にも再び訪日したいと考えていると述べた。

2)また、松島政務官は、今般、田中伸男氏がOECD枠内の組織であるIEAの次期事務局長に選出されたことを歓迎している旨述べた。これに対し、グリア事務総長は、田中氏の選出に対する祝意を述べるとともに、OECDの科学技術産業局長を務めている田中氏が当選したことは、OECD本体とIEAの連携強化にも資すると考えており、自分としても喜ばしいと述べた。

(写真)(グリアOECD事務総長と松島政務官)

(グリアOECD事務総長と松島政務官)

(5)赤阪OECD事務次長との会談

1)赤阪事務次長より、OECD拡大に関する議論の現状について説明するとともに、OECDの相互審査やルール作りの機能、特に、エネルギー、環境、知的財産、投資等の分野におけるOECDの活動について説明があった。

2)これに対し、松島政務官より、OECD拡大に関する議論との関係では、BRICsのような新興経済を国際経済のルールに取り込んでいくことが重要であると述べた。

(6)ジェローム・パスキエ仏外務省国際協力開発総局次長との会談

1)松島政務官より、日本語及び日本語学習の普及のために日本が行っている取り組みにつき説明を行った。

2)これに対し、パスキエ次長より、世界におけるフランス語普及のためのフランスの政策、具体的な取り組みにつき、日本での例も交え説明があった。

3)さらに、松島政務官より、フランスにおける日本語教育、普及に対する協力を求めるとともに、文化の多様性を重視する日本とフランスとの間で、一層の協力をしていきたい旨述べた。

(写真)(ジェローム・パスキエ仏外務省国際協力開発総局次長と松島政務官)

(ジェローム・パスキエ仏外務省国際協力開発総局次長と松島政務官)

(7)ブキッキオ欧州評議会事務次長との会談

1)松島政務官より、本年が日本の欧州評議会オブザーバー資格取得10周年に当たる旨述べるとともに、記念行事として日本が文化遺産に関するパネル展を欧州評議会で開催し、日本の文化遺産修復に係る取組みを紹介する機会を得たことについて、欧州評議会側の協力に謝意を表した。

2)これに対し、ブキッキオ事務次長は、日本が欧州評議会のオブザーバーとして積極的な活動を行っていることに謝意を示したほか、欧州評議会議員会議における日・欧の国会議員レベル交流は約30年の歴史を持つなど重要な国である旨述べた。また、就中、欧州評議会が行っている政治スクールプロジェクト(:旧ソ連、中東欧諸国等の民主主義発展のため、当該国の次世代を担う人々を育成するプロジェクト)の重要性に触れるとともに、当該プロジェクトへの日本の支援に深く感謝する、今後も積極的関与を得たい旨の発言があった。

3)松島政務官は、麻生外相講演(:題名、「自由と繁栄の弧」をつくる(11月30日))に触れつつ、我が国は、民主主義、自由、人権、法の支配、市場経済といった日本人にとって当たり前となっている価値観が東南アジアの国々において定着するよう努力してきたが、これからは、自分(松島政務官)が昨年11月に訪問したボスニア・ヘルツェゴビナをはじめとする中東欧の旧社会主義国やグルジア、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドバといった旧ソ連諸国等においてこうした価値観が定着していくよう貢献していきたい旨述べた。これに対し、ブキッキオ事務次長は、当該講演を既に入手して大きな興味を持って読んだ、人権、民主主義及び法の支配といった共通の価値を促進させることを重視している点に強い共感を覚えたと述べた。

4)ブキッキオ事務次長は、欧州評議会は加盟国のみならずオブザーバー国の米国にも死刑廃止を求めている旨説明するとともに、死刑問題に関する日本の現状について説明を求めた。松島政務官は、犯罪被害者と遺族の感情を考えると、国家が復讐を禁じている以上、死刑存続は当然である、これが日本の世論の多数である旨述べた。

5)ブキッキオ事務次長は、子供への暴力の問題の重要性に触れ、子供は大人と同等の人権を有するとともに、明日を担う財産である等といった理念に基づき、欧州評議会が暴力撲滅のために積極的な取組みを行っている、日本もこの取組みに参加して欲しい旨希望が表明された。これに対し、松島政務官は、子供への暴力は家庭内の虐待、一般的な子供を対象とした犯罪の両方に問題があり、日本でも真剣な取り組みがなされている。また、世界に目を転じれば、児童買春、児童ポルノ、ストリートチルドレン、さらに臓器売買を目的とした子供の誘拐・売買など深刻な問題があり、欧州評議会と力を合わせていきたいと共感の意を述べた。

6)松島政務官より、北朝鮮の人権状況に関する国連決議にも触れつつ、日本人拉致事件及び当該事件等に対する日本政府の取組みや安倍総理の情熱を説明するとともに、欧州諸国が北朝鮮の人権問題、就中拉致問題に関心を持つよう求めた。これに対し、ブキッキオ事務次長は、欧州評議会側は、拉致問題に関する日本政府の取組みを支持し、被害者の帰国を強く望む旨述べ、会談を了した。

(写真)(ブキッキオ欧州評議会事務次長と松島政務官)

(ブキッキオ欧州評議会事務次長と松島政務官)

(8)アンビュール・スイス外務次官との協議

 日スイス経済関係の強化、北朝鮮による拉致などの問題、スイス・バーゼルに本拠地を置く国際決済銀行(BIS)などを含めスイス外務省と政策協議を行い、現在の日スイス関係を、幅広くより深くしていく必要があるとの認識で一致した。
 特に、BISの法律問題に関する協力を要請したほか、北朝鮮の人権状況に関する国連決議にも触れつつ、日本人拉致事件及び当該事件等に対する日本政府の取組みを説明するとともに、スイスが北朝鮮の人権問題、就中拉致問題に関心を持つよう求めた。

(9)フーバー=ホルツ・スイス官房長官との会談

 BISの法律問題に関する協力を要請する塩崎官房長官発ホルツ官房長官当て書簡を手交しつつ、スイス政府の協力を強く要請し、スイスからも日本政府の要請をふまえ、従来の立場を離れて、真剣に検討する旨の回答を得た。
 また、北朝鮮の人権状況に関する国連決議にも触れつつ、日本人拉致事件及び当該事件等に対する日本政府の取組みを説明するとともに、スイスが北朝鮮の人権問題、就中拉致問題に関心を持つよう求めた。

(写真)(フーバー=ホルツ・スイス官房長官と松島政務官)

(フーバー=ホルツ・スイス官房長官と松島政務官)

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