外務本省

松島みどり外務大臣政務官のボスニア・ヘルツェゴビナ訪問
(概要)

平成18年11月

 松島みどり外務大臣政務官は、11月2日(サラエボ着)~6日(日本着)の日程でボスニア・ヘルツェゴビナ(BH)を訪問したところ概要以下の通り。

1.日程等

<松島外務大臣政務官の日程>
日付 時間 内容
11月2日(木曜日) 夕刻 サラエボ着
11月3日(金曜日) 午前 ドディック・スルプスカ共和国(RS)首相との会談
ドボイ橋完成・引渡式出席
午後 テルジッチ・BH閣僚評議会議長(首相)との会談
11月4日(土曜日) 終日 ブラガイ視察(JICA開発調査エコツーリズム案件)
モスタル市街視察
11月5日(日曜日) 午後 サラエボ発
11月6日(月曜日)   日本着

2.訪問の概要

 今回の訪問は、我が国無償支援案件「ドボイ・モドリチャ橋建設計画」のプロジェクト完了にあたり、ドボイ橋の完成・引渡式に出席するとともに、BH当局関係者と意見交換を行う事を主な目的としたものであった。

(1)ドボイ橋はスルプスカ共和国とボスニア・ヘルツェゴビナ連邦を結ぶ幹線道路上に位置し、BH紛争中に保守管理が行き届かず著しく劣化し、使用不可能となっていた。同橋梁の再建により、周辺地域の人物・物的往来の活性化が図られることとなり、住民約70万人が裨益することになる。また、他民族間の往来の活性化は民族融和にも資するものである。

(2)引渡式においては、ドディックRS首相及び松島政務官の挨拶の後、両名による渡り初めを行った。また、現地の住民が民族舞踊を披露し、松島政務官も輪の中に加わり一緒に踊るなど、和やかな雰囲気のなかで式典が行われた。現地のメディアの関心も大きく、多数の報道関係者が取材に訪れた。

(3)また、今回の訪問は、ボスニア・ヘルツェゴビナにおける10月1日の国政・地方選挙を受け、連立形成に向けた政党間で協議が行われている中で実施されたものである。このタイミングで松島政務官が同国を訪問し、テルジッチ同国首相及びドディック・スルプスカ共和国(RS)首相と会談を行ったことは、同国の最新の政治情勢を把握するとともに、今後の対BH政策のありかたを検討する上でも有益なものであった。

(4)更に、政務官は我が国のJICA開発調査案件の一環として遊歩道を整備したブラガイの視察を行うとともに、BH紛争中に破壊され、国際社会の支援により再建された世界遺産のモスタルのオールドブリッジを視察し、同国の経済発展のため、観光産業を活性化することの重要性につき理解を深めることが出来た。

  • (写真)ドボイ橋のテープカット:ドディックRS首相と松島政務官

    (ドボイ橋のテープカット:ドディックRS首相と松島政務官)

  • (写真)ドボイ橋の渡り初め

    (ドボイ橋の渡り初め)

  • (写真)地元住民による民族舞踊の輪に加わった松島政務官

    (地元住民による民族舞踊の輪に加わった松島政務官)

3.要人との会談(主な内容)

(1)アドナン・テルジッチ・BH閣僚評議会議長(首相)との会談

(イ)松島政務官から、10月30日にウイーンで開催された日・墺共催の「西バルカン経済発展フォーラム」の概要を説明するとともに、来年春までに東京でフォローアップ会議を開催する方向で準備を進めている旨紹介し、ドボイ橋の引渡式につき詳細に説明した。

(ロ)これに対し、テルジッチ首相より、ドボイ橋をはじめとするこれまでの日本の復興支援に感謝を表明し、日本のODAプロジェクトの透明性・計画性を賞賛しつつ、BHは透明性が全員の利益につながることを日本から学んだ、2004年に東京で開催された「西バルカン平和の定着・経済発展閣僚会合」をはじめとする日本の努力は地域全体に知られている、日本の投資をBHに呼び込むために二重課税防止条約等の二国間条約を結ぶ準備がある旨述べた。

(ハ)更に、テルジッチ首相より、日本との関係は良好だが、域内の他の国には大使がいるのにサラエボだけには大使が常駐していないことは残念である、在サラエボの日本大使館とは良好な関係を有しているが大使がいない状況は変えて頂きたいと述べた。

(ニ)これに対し、松島政務官より、日本は地理的には遠いがBH情勢には関心を持ってPICに参加するとともに、ODAを実施してきており、在BH大使館の格上げは最大課題の一つとして、政府内で協議を続けていきたい旨述べた。

(ホ)また、松島政務官はオシム・サッカー日本代表監督はサラエボ出身で、今BHは日本人にとって身近な国になっている、日本企業の進出がBHの経済発展につながり、BHが域内一の国になることを期待する、帰国後にサラエボをはじめとするBHの魅力を宣伝し、日本人観光客の増加にも努力していきたい旨述べた。

(ヘ)最後に、テルジッチ首相から、03年の議員団の訪問以来、二国間の議員交流が進んでいないとして、議員交流の再活発化が要請されたことを受け、松島政務官から右の再活発化に取り組みたいと応答し、和やかな雰囲気の中で会談を了した。

(写真)テルジッチ首相との会談

(テルジッチ首相との会談)

(2)ミロラド・ドディック・スルプスカ共和国(RS)首相との会談

(イ)松島政務官から、10月の選挙を終えて連立政権が速やかに樹立されBHの安定につながることを期待する、我が国も紛争終結後、和平履行評議会(PIC)の一員として貴国の平和履行を支援しており、昨年、安定化・連合協定(SAA)締結が始まったことも喜ばしい旨述べた。

(ロ)これに対し、ドディックRS首相より、松島政務官の来訪を歓迎するとともに、これまでのRS及びBHに対する日本の支援に謝意を表明しつつ、日本の企業の進出を期待する旨述べた、また、RS及び中央政府の新内閣の成立見通し、警察改革や憲法改正についての取り組みを紹介したほか、来年6月の和平履行上級代表事務所(OHR)の閉鎖を支持する旨述べた。

(ハ)これに対し、松島政務官より、ドディックRS首相が、日本の援助の後は企業を誘致したい旨述べたことに感銘を受けた、日本企業の土台作りとして投資環境整備、税制の安定や法整備を進めて欲しい、日本からの観光客増加にも取り組みたい旨述べた。

(ニ)また、ドディックRS首相より、観光の重要性も認識している、そのための高速道路建設、空港整備、スキー場整備、電力分野への日本企業の進出を期待していると述べたのに対し、松島政務官より、日本はかつて世銀からの借款を高速道路や発電所の建設に有効に活用したことを紹介し、BHもそのように借款を有効活用できるのではないかと述べた。

(ホ)最後に、松島政務官から、コソボの政治プロセスがどのような形で決着しても、BHが多民族の協力の上に立つ国であるよう、ドボイの橋が未来への架け橋になるよう期待する旨述べたところ、ドディックRS首相より、コソボは地域安定の鍵であり、地域全体の問題と切り離せない、自分も政治家として一般国民の感情を無視出来ないが、地域の安定につながるよう努力していくと述べ、日本の支援に再度感謝の意を述べなごやかな雰囲気の中で会談を了した。

(写真)ドディック・スルプスカ共和国首相との会談

(ドディック・スルプスカ共和国首相との会談)

4.モスタル及びブラガイの視察

 松島政務官は、JICAの開発調査案件として遊歩道を整備したモスタル近郊の名勝地ブラガイ及びBH紛争中に破壊され、2004年7月に世銀、UNESCO等の支援により再建が終了したオールド・ブリッジ(トルコ時代の石橋、UNESCO世界遺産)を視察し、BHの復興・経済発展における観光促進の重要性につき理解を深めた。

(写真)ブラガイを視察する松島政務官

(ブラガイを視察する松島政務官)

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