外務本省

塩崎外務副大臣による欧州訪問
(結果概要)

平成17年12月12日

 12月4日(日曜日)-9日(金曜日)、塩崎外務副大臣はスロベニア、ベルギー、英国を訪問した。スロベニアでは第13回欧州安全保障協力機構(OSCE(注))外相理事会に日本政府代表として出席した他、同理事会に出席した潘基文・韓国外交通商部長官、ガニエフ・ウズベキスタン外相、トカエフ・カザフスタン外相、ホルデ・アイスランド外相、ド・ブリシャンボーOSCE事務総長、イタリア、スロベニアの要人と会談・意見交換を行った。ベルギーではEU、NATOを訪問し、ソラナCFSP上級代表、クルース欧州委員、デ・ホープ・スケッフェルNATO事務総長他と会談した他、「2005年日・EU市民交流年クロージング・レセプション」において挨拶を行った。英国ではトーマス英国際開発省政務次官等と会談を行った他、日英21世紀委員会のカニンガム英側座長と意見交換を行った。

(注)OSCEは欧州地域を中心に55ヶ国が参加し、汎欧州的な国際機関として安全保障面での信頼醸成を促進してきている。今回の外相理事会には加盟国のほか、「協力のためのパートナー国」である、日本、韓国、タイ、アフガニスタン、地中海諸国等66ヶ国が参加した。

1.第13回OSCE外相理事会(於:リュブリャナ(スロベニア))

(1)ステートメント

 塩崎副大臣は、日本政府代表団長として会議の中で日本の立場を説明した。その中で10年以上に及ぶ日・OSCE協力を振り返り、OSCEの包括的安全保障概念と日本の進める「人間の安全保障」の類似性に言及し、基本的価値を共有する日本とOSCEの協力の重要性を訴えた。また、東アジアにおける急速かつ不透明な軍備増強を指摘しつつ、OSCEとアジア諸国は欧州・アジア相互の安全保障環境について共通の認識を醸成することが必要である旨述べ、OSCEとARF等との対話の重要性を訴えた。また、共通の関心地域として中央アジア、西バルカン、アフガニスタンに言及し、日本の関心・貢献を紹介した。

(写真)第13回OSCE外相理事会

(2)要人との主な会談

(イ)潘基文・韓国外交通商部長官

 現状の日韓関係をいかに改善していくかを中心に率直な意見交換が行われた。副大臣からは、六者会合での韓国の積極的な役割を評価するとともに、本年は日韓友情年でもあり人的交流継続が重要である旨発言した。先方からは、日韓関係の改善のための最大の努力をしたいと考えているが、難しい状況ではあり、日本側の善処を求めたい旨、また、東アジア・サミットを東アジア共同体構築に向けた動きにするためによく協力していきたい旨述べた。

(写真)潘基文・韓国外交通商部長官との会談

(ロ)ガニエフ・ウズベキスタン外相

 本会談は2005年5月のアンディジャン事件(注)後、欧米との関係が悪化しているウズベキスタンとの同事件後初のハイレベルでの接触の機会となった。副大臣からは、アンティジャンの事件にも触れつつ、一層の民主化と自由化、人権状況の改善を促し、先方からは、現状に関するウズベキスタン側の見方が伝えられるとともに、「中央アジア+日本」を通じた協力を高く評価する旨、今後の日本の取り組みに期待する旨の発言があった。

(注)アンディジャン事件
 5月13日、東部アンディジャン市において武装勢力が刑務所等を襲撃し、同市で政権の退陣を求める住民デモが発生。治安部隊が武装勢力を鎮圧した際、一般市民に数百人の死者が生じたとされる。我が国及び欧米諸国は、事件の真相解明のため、国際的枠組みの下での調査の重要性を訴えてきたが、ウズベキスタン政府はこれを拒否。

(写真)ガニエフ・ウズベキスタン外相との会談

(ハ)トカエフ・カザフスタン外相

 「中央アジア+日本」対話の下での協力を継続する重要性につき一致した。副大臣から、(12月4日に行われた大統領選挙に言及しつつ、)カザフスタンが今後とも民主化の着実な進展を国際社会に示すことを期待するとともに、資源開発の分野などでの日・カザフスタン経済関係強化に向けた動きを歓迎する旨を述べた。先方からは、一層の経済関係強化に関し期待感が示された。

(写真)トカエフ・カザフスタン外相との会談

2.ベルギー訪問

(1)要人との会談

(イ)ソラナCFSP上級代表

 先方よりは、イラン核問題の現状を懸念している旨、中東和平については道のりは容易ではない中、3月末のイスラエル総選挙に注目している旨述べ、1月の小泉総理の中東訪問に関心を示した。副大臣からはこれらの問題に対する日本としての高い関心を伝え、今後とも日・EU間で緊密に連携していくことで一致した。
 中央アジア情勢については、副大臣より「中央アジア+日本」対話を通じた協力を重視している旨述べたところ、先方は、ウズベキスタンとの関係の困難さに言及しつつ、これらの地域が道を誤らないように働きかける必要がある旨述べた。
 副大臣からEUの対中武器禁輸措置解除反対の立場を改めて伝えるとともに、日・EU間の戦略的対話は着実に軌道に乗りつつあり、今後とも継続していくことが重要との認識で一致した。
 また、先方からは、次回の日・EU定期首脳協議にあわせ、可能な限り訪日したいとの意向が示された。

(写真)ソラナCFSP上級代表との会談

(ロ)デ・ホープ・スケッフェルNATO事務総長

 先方は、本年4月に訪日した際の日本側要人との意見交換においてEUの対中武器禁輸解除問題について東アジアの安全保障環境に与える影響の観点から日本側より明確な認識が示されたことを評価しつつ、日本とNATOが対話を強化する意義を強調し、基本的価値を共有する日本とNATOは今後とも関係を強化していくことで一致した。

(写真)デ・ホープ・スケッフェルNATO事務総長との会談

(ハ)クルース欧州委員(競争担当)

 先般の独禁法改正やEUの競争政策について意見交換を行った。

(2)「2005年日・EU市民交流年」クロージング・レセプション

 「2005年日・EU市民交流年」の締めくくりとして行われたレセプションにおいて、交流年の経験を今後の日・EU関係の一層の発展に結びつけたい旨の挨拶を行った。

(写真)「2005年日・EU市民交流年」クロージング・レセプション

3.英国訪問

 英国においては、日英21世紀委員会の英側座長であるカニンガム上院議員と日英関係等について意見交換を行ったほか、トウィーディー国際会計基準審議会議長、ガレス・トーマス英国際開発省政務次官と会談をおこなった。

(写真)英国訪問

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