外務本省

木村外務副大臣のベトナム社会主義共和国訪問概要

平成19年10月

 木村外務副大臣は、10月7日(日曜日)から10日(水曜日)まで、ベトナム南部「クーロン(カントー)橋建設計画」の橋げた崩落事故現場の視察、及び同事故に対する今後の対応等につきベトナム政府要人と協議することを目的として、ベトナム社会主義共和国を訪問したところ概要以下の通り。

1.「クーロン(カントー)橋建設計画」の橋げた崩落事故現場視察

 10月8日(月曜日)午後、木村外務副大臣は、去る9月26日(水曜日)に発生した我が国の円借款事業である「クーロン(カントー)橋建設計画」の橋げた崩落事故現場において、日本の工事関係者から説明を受けつつ、事故の状況を視察するとともに、多数の死傷者が発生した場所で犠牲者に対し心からの弔意を表した。

2.フン交通運輸次官、ダウ・ビンロン省人民委員長及びトン・カントー市人民委員長との会談

 木村外務副大臣は、事故現場視察後、カントー市人民委員会において、フン交通運輸次官、ダウ・ビンロン省人民委員長及びトン・カントー市人民委員長と会談した。

 会談において、木村外務副大臣は、我が国政府を代表して今回の事故による犠牲者及びその家族に対する哀悼の意と、事故発生に対する遺憾の意、行方不明者の一刻も早い救出及び負傷者の早期回復への祈念の意を表した。また、木村外務副大臣は、二次災害に配慮しつつ、事故原因の究明を徹底して行うことが同様の事故の再発防止のためにも重要であり、ベトナム側における事故原因究明のための迅速な体制構築、作業への着手に敬意を表するとともに、我が国政府としても調査団派遣を検討している旨、及び日本関係企業より見舞金及び遺児基金計90億ドン(約6,300万円)を既に拠出したが、企業側に対し犠牲者への補償等、法的責任の範囲でしっかり対応していくよう指導していく旨述べた。

 これに対しベトナム側からは、木村外務副大臣の今回のベトナム訪問に対する評価と感謝、及び犠牲者への日本企業側の支援への評価が表明されるとともに、今後、被災者家族及び遺児の手当が大きな問題となるので日本側からも支援を得たい旨、及び事故原因の究明と再発防止のために国家レベルの調査委員会を設置し、今後一ヶ月以内に調査結果を出す方針であり、日本側からも協力を得たい旨の表明があった。さらに、ベトナム側より、ベトナム政府及び国民はベトナムに対する日本の援助に感謝しており、本件事故が日越関係に些かの影響も与えることはない、今後とも日ベトナム協力関係を発展させていきたい、本件カントー橋は、メコンデルタ地域住民の長年の夢であり、ベトナムの南北縦断道を完成させる上で最後の橋として重要な意義を有する、事故の原因究明、責任問題とは別に、日本の先進技術を導入し、質と安全を確保しつつ、計画に沿って完成させて頂くようお願いしたい、といった発言があった。

3.ズン首相及びズン交通運輸大臣との会談

 10月9日(火曜日)午後、ベトナム訪問中の木村外務副大臣は、ハノイにおいてグエン・タン・ズン首相と会談した(なお、同日午前、同副大臣は、ホー・ギア・ズン交通運輸大臣とも「クーロン(カントー)橋建設計画」の橋げた崩落事故について以下と同様の意見交換を行った)。

(1)「クーロン(カントー)橋建設計画」の橋げた崩落事故

 会談において、木村外務副大臣より、上記2.と同様の趣旨を述べたところ、ズン首相からは、木村外務副大臣の今回のベトナム訪問は日本政府の今回の事故に対する大きな関心を示すものであり感謝する、本件事故の被災者への対応においてはベトナムの法律及び国際的基準に則って妥当な処理を行い、本件事故が日ベトナム友好関係に影響を与えないようにするため、両国が緊密に協力していく必要がある、さらに被災者家族への対応が重要と考えている、再発防止が重要であり事故原因と責任を明らかにするため国家調査委員会を設置した、また設計の見直しを行い今後の工事の安全を確保したい、工事の安全は日ベトナム両国政府の信頼と名誉に関わるものである、一ヶ月内に全てを処理し、工事を速やかに再開できるよう両国が協力していきたい、日本から高度な知識を持つ専門家の派遣をしてほしい旨発言した。

 これに対し、木村外務副大臣より、ズン首相の考えを我が国政府機関に伝え、本件事故の処理に全力を傾注したい旨述べた。

(2)日ベトナム関係全般

 日ベトナム関係全般につき、双方は、今回の痛ましい事故を乗り越え、現下の課題のみならず長期的課題についても協力し、日ベトナム間の協力関係を、昨年両国首脳間で合意した「戦略的パートナーシップ」に向けて発展させていくために尽力していくことで一致した。また、双方は、ハイレベルの交流を強化していくことで一致した。

 明年5月に横浜で開催予定のTICAD(アフリカ開発会議)IVに関し、木村外務副大臣より、TICAD IVは、アジア・アフリカ協力の推進を目指しており、ズン首相の出席を得たい旨要請し、ズン首相は、前向きに事務レベルに検討させたい旨応答した。

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