ラテン語の歌で歓迎してくれる生徒たち
リヒテンシュタインの教育制度では、5年制(7~12歳)の小学校を修了した後、進学先は8年制の高校、4年制の実業学校と中学校の3つに分かれます。
国内には大学がないため、高校卒業後はスイスやオーストリアの大学への進学。一方、実業学校と中学校の卒業者の多くは職業学校に進み、16~18歳で就職します。大学進学を希望する実業学校の生徒には、途中で高校へ編入する道も開かれています。
なお義務教育期間は、小学校の5年間とその後の4年間の計9年間です。
ファドゥーツ市内にあるリヒテンシュタイン高校は国内唯一の高校で、大学進学を目指す成績の優秀な生徒が集まっています。生徒総数は男女合わせて600人。1学年3~4クラスで、1クラスの生徒数は平均20人、最大でも25人と決められています。
赤れんが造りの校舎の外観
授業は月曜~金曜日の午前7時45分~午後4時50分。45分授業で、午前に5科目、午後に4科目を学びます。珍しい科目としては、哲学のほか、カトリックのお国柄のためかラテン語と宗教があります。
学校での服装は自由で、校則は一切ありません。あるクラスでは、生徒の約3分の2がピアスを、3分の1が指輪をしています。生徒は学校生活にほぼ満足していますが、卒業時には20歳になってしまうため、18歳で卒業できるような制度を望む声も聞かれます。
授業が朝早くから午後遅くまであるため、生徒は放課後そのまま家に帰るのが普通です。帰宅後は、読書や楽器の練習、テレビを見たりして過ごすほか、インターネットやテレビゲームをする生徒もいます。休日には自転車やスキー、サッカーなどのスポーツや、音楽では楽器演奏や合唱などを楽しみます。また、映画を見に行くことも多く、最近話題になった「タイタニック」は、クラスの3分の2の生徒が見ていました。
長期休暇は、学期が終わる7月第1週から新学期が始まる8月中旬までの約6週間の夏休みのほか、10月に3週間の秋休み、クリスマス休暇が約2週間、2月に2週間のスキー休みがあり、生徒の多くは旅行にでかけます。
放課後、図書館で談笑する生徒たち
アルプスのミニ国家として観光名所となったリヒテンシュタインには、日本人を乗せた観光バスが日に何台も訪れ、生徒にとって日本人は珍しくありません。
日本については、文化や伝統を大切にする国、制服に代表されるように秩序正しい国といった印象をもっています。日本人については、「勤勉」と答える生徒がいる一方で、「科学技術が進んでいる分、ストレスも多いのでは・・・」と考える生徒もみられます。
財団法人世界の動き社発行月刊「世界の動き1998年12月号」より