
テグシガルパ市内の小高い丘の上にあるエルベル・スクールは、幼稚園から高校までの一貫教育を行う私立校。幼稚園部2学年、小学校6学年、中・高等部5学年あり、約1,230人の生徒が通っています。
授業は月曜~金曜までで、日本と同じようにクラスが決まっており、選択制はなく、みな同じ授業を受けます。しかし、大きな特徴はスペイン語と英語で授業が行われること。ほとんどの公立校は、スペイン語の授業ですが、テグシガルパ市内にはバイリンガル授業をする学校が34あります。高度な英語力がエリートの必須条件であるため、同校は特に英語教育を重視しています。
また、最終学年の生徒には卒業の条件として社会奉仕活動が義務づけられており、生徒は自家製のパンやケーキを売ったお金を福祉施設に寄付したり、教会のグループ活動などに参加しています。

エルベル・スクールは設備の整った優れた教育環境をもち、中・上流家庭の生徒が通っています。通学には11台ものスクールバスが生徒を学校へ運びます。中・高等部からの入学は難しいため、子供を幼稚園部に入学させようとする親の予約が殺到し、すでに2001年の入学分まで埋まっているとのことです。
校則は厳しく、スカートの長さや靴の色、髪形にいたるまで細かく規定しています。また、両親以外の人が生徒を迎えに来る場合、委託書なしには引き取れません。とはいえ、それ以外では生徒の自主性を尊重しており、生徒たちはほぼ高校生活に満足しているようです。

放課後や休みの日は、厳しい授業についていくため、生徒たちは宿題や予習・複習に励みます。それでも、毎日のできごとを家族に話したり、日曜日には一緒に教会のミサに出かけるなど、家族と過ごす時間を大切にします。大部分の生徒が卒業後は大学進学を考えており、落第せず無事に卒業できるかどうか、将来どんな進路に進んだらよいかなど、抱える悩みは日本の若者と共通です。
日本については、ホンジュラスに対する経済協カ・技術協力がマスコミで取り上げられることも多く、高い関心をもっています。高度な産業や経済発展を支えた日本人の勤勉さや組織力について学びたいと考える生徒が多い一方、日本の文化や慣習、伝統的衣装に興昧をもつ生徒もいました。
財団法人世界の動き社発行月刊「世界の動き1997年6月号」より