
オーストリアの義務教育は6歳からの9年間で、4年間の基礎学校を終えると、中学校と一般教育中高等学校の2つのコースに分かれます。
ウィーン市内にあるヘンリエッタ・ギムナジウムは一般教育中高等学校にあたり、8年制の公立の学校。10歳から18歳の生徒が通い、生徒総数は976人、1クラス約25人です。授業は月曜~土曜日の午前8時~12時、または午後2時まであります。義務教育の間は科目が決まっていますが、6年生からは外国語、コンピュータ、宗教、生物実験、ダンス、チェスなどの選択科目があります。
長期休暇は冬休みが12月24日~1月7日、学期休みが2月10日~18日、また3月末には10日間の復活祭休み、7月~8月に9週間の夏休みがあります。

生徒は放課後や休みの日にはのんびり過ごし、サッカーなどのスポーツや友人とのおしゃべりを楽しみ、家で宿題をしたり読書や音楽鑑賞をしています。パーティーやディスコも盛んで、長期休暇には家族とヨーロッパを旅行したり、親戚を訪問しています。
制服などを規定する校則はなく、髪形1つとってみても長髪、丸刈り、パンク、緑やピンクに染めるなど自由そのもの。ピアスの他にタトゥー(入れ墨)が流行っていて、腕、肩、足などにワンポイントで入れます。ロマンチックなもの、神話、ポップ風と種類もいろいろです。学校生活にはほぼ満足していますが、食堂がないなど施設が整備されていないこと、宿題や試験が多くてストレスを感じるなどの不満があり、環境保護の観点から、飲み物の自動販売機を置くことはよくないと思っている生徒もいます。

同校は外国人が多く住む地域にあり、様々な国籍の生徒が半数近くを占めるため、学校側は彼らがオーストリア社会になじむように配慮し、また「トルコ文化祭」など外国文化の紹介行事も行っています。
日本については礼儀正しく勤勉な国民、伝統とハイテクの国といった印象をもつ一方、経済活動中心の国という印象や、厳しい学校システムがあって、子供は朝から夜まで勉強し、大人は1日中仕事をするアリの社会のようだと思っている生徒もいました。文化についての関心は大きいものの、一般的に「遠い国」と感じているようです。
財団法人世界の動き社発行月刊「世界の動き1996年5月号」より