午後コースの授業風景
アルゼンチンの教育制度は従来、幼児教育が3年間、初等教育が7年間(義務教育)、中等教育が5年間、大学などの高等教育が4~6年となっていました。1993年の教育改革法で、中等教育の最初の2年間が初等教育に組み込まれ、幼児教育の1年間と合わせた計10年間が義務教育となることに決定。現在は2000年の完全移行に向けて調整が行われています。
なお、アルゼンチンの教育水準は中南米諸国の中でも非常に高く、非識字率も3.7%(1991年)と極めて低くなっています。
学校の正面
ブエノスアイレス州サン・イシドロ市にあるルイス・ベルネッ中学校も、以前は5年制でしたが、1997年から3年制に切り替わりました。日本でいえば、男女共学の商業高校に当たります。授業は月曜~金曜日で、13時15分~18時20分の午後コースと17時45分~22時の夕方コース、19時~22時の夜間コースの3つに分かれています。午後コースは日本の全日制に当たり、生徒数は259人。夕方・夜間コースは成人を対象としたもので、281人の生徒が学んでいます。
全科目が必修で、ユニークな科目としては、アルゼンチンがブラジル、パラグアイ、ウルグアイの3ヶ国とともに構成する南米共同市場(メルコスール)に対応するための授業があります。ポルトガル語とメルコスール加盟国の文化の学習は、生徒に大変好評です。
日本のようにクラス制をとっており、クラスの仲間意識は強く、生徒は伸び伸びと積極的に学校生活を送っています。悩みや問題があれば、多くの場合、先生や家族に相談しています。
校則で制服は定められていませんが、午後コースの生徒はジーンズやトレーナー、靴下など服装のどこかに、国旗にちなむ水色を入れなければなりません。また、長髪の男子は、必ず髪を束ねることになっています。ただし、これらの規則は、夕方・夜間コースの生徒には適用ありません。
和気あいあいとした数学の授業
放課後の過ごし方は、アルバイトや家の仕事の手伝い、友達との付き合いなど様々です。週末は、金曜日と土曜日の夜はディスコや映画に出かけ、日曜日は家族や友達と過ごすことが多いようです。なお長期休暇は、1月1日~2月15日が夏休みで、7月に2週間の冬休みがあります。家族旅行をしたり、遠くの親戚の家に長期滞在するのが一般的です。
日本については、高度な産業技術を連想する生徒が多く、また、アルゼンチンに住む日系人の影響もあってか、日本人は勤勉で責任感が強いという印象をもっており、全体的に日本を好意的にとらえています。
財団法人世界の動き社発行月刊「世界の動き1998年11月号」より