フランスの教育制度は、6歳から16歳までの10年間が義務教育となっており、うち6歳からの5年間が小学校、次の4年間が中学校、18歳までの3年間が高校となっています。
フランスの中等教育の特徴としては、中学・高校が一貫教育として捉えられている点が挙げられます。高校3年が「最終年」、高校2年が「第1学年」、そこから数字が大きくなっていき、中学1年が「第6学年」と呼ばれます。多くの中学・高校が同じ建物に入っており、また、先生の免許も中学・高校で共通です。先生方はいくつかの中学・高校で同時に教えるということが普通に行われています。
今回紹介するジャン・ドゥ・ラ・フォンテーヌ校も中学と高校が併設されています。全校生徒数は1,586人(中学校881人、高校705人)、先生の数は129人の大規模校です。立地しているパリ16区は比較的経済的に恵まれた家庭が多く住む地域であり、パリ市内の中学・高校の中でも名門校の一つとなっています。バカロレア(フランスの後期中等教育の終了を証明する国家試験で、これに合格すると大学入学資格が与えられる)の合格率は98.1%と、高校生の現役合格率平均83.3%を大きく上回っています。
学校には制服はなく、髪型やメイクなどに関する規則もないため、生徒たちは思い思いに、モードの都パリでおしゃれを楽しんでいるようです。
同校では、1990年から日本語教育が行われており、計254人(第一外国語187人、第二外国語67人)の生徒が日本語を学んでいます。フランスでも最も古くから日本語教育を行っている機関の一つで、1994年には天皇皇后両陛下も訪問されました。
フランスの教育制度上、中学段階で一つの外国語を、高校段階で二つの外国語を必修として学ぶことになっているのですが、同校では第一外国語としても第二外国語としても日本語を学ぶことができます。また、近年、日本のアニメや漫画がフランス国内でブームとなっており、それにつれて日本語学習を希望する生徒も増えてきています。授業が行われている教室では、フランス人の先生が日本語で授業を行い、生徒も日本語で発表を行っていました。
また、「日本語セクション」といって、主として日本人の子どもや日仏ハーフの子どもを受け入れ、日本語や地理歴史を学ぶことができる国民教育省認可のコースも設けられています。このセクションで学んだ生徒たちは、高校3年の学期末に、バカロレア国際オプションを受験し、それに合格すると大学入学資格を得ることとなります。同セクションには7学年を通じて例年40名程度の生徒が在籍し、ほとんどの生徒がバカロレア国際オプションを取得し、一般のバカロレアを取得した生徒と同じようにフランスの大学に進学したり、日本の大学を受験したりしています。
毎年、学年末にあたる6月には、保護者会が中心となり、学校の協力のもと、日本式の卒業式と、それに先だつ学習発表会が行われています。日本語で歌を歌ったり劇を演じたり、学習の成果を発表するとともに、7年間の中学・高校生活の締めくくりとなる行事となっています。
財団法人世界の動き社発行隔月刊「世界の動き2007年12・1月号」より