モスクと校舎
サウジアラビアの教育制度は日本と同じ6・3・3制で、義務教育は15歳までです。イスラムの教えに基づき、公立学校は小学校1年生から男女別学で、女子への体育教育は認められていません。また音楽の授業は公立私立を問わず認められていません。
サウジアラビア出身のテロリストが後を絶たないこともあり、昨今では、宗教に偏った教育内容の問題点が指摘され、他宗教への不寛容を助長するような教育内容は一部見直されてきています。また、実社会に即した教育内容にするため、英語教育に力を入れる学校も増えているようです。
授業風景
キングダム・スクールは世界でも有数の大富豪であるアルワリード・ビン・タラール殿下が所有する幼少中高一貫教育校。生徒数は約1700名で、外国人も一部在校しています。校内には、モスクやサッカー競技場やテニスコート、プールなどといった設備があり、全教室にコンピュータとインターネット環境が完備されています。
同校では宗教の授業が重要な位置を占めており、授業の約4割は宗教に当てられています。また、英語教育に重点が置かれ、多くの時間が割かれているほか、一部の優秀な生徒には、数学や物理の授業も英語で行われています。
音楽の授業はありませんが、芸術の授業は行われています。イスラム教では偶像崇拝が禁じられている関係から、人物像を作ったり描いたりすることはできませんが、抽象画や工芸作品は認められています。多くの生徒たちは、テロの問題をテーマとした絵画や工芸作品を作っているそうです。
日本に対してはおおむね好意的で、自動車産業やハイテク産業が発達した国、独自の文化を持った国、物価の高い国、などといったイメージを持っている生徒が多いようです。また、衛星放送で日本のアニメを見て(法律では禁じられているものの、現在では黙認されている)日本語の挨拶を覚えた生徒もいるそうです。
財団法人世界の動き社発行月刊「世界の動き2006年3月号」より