在外公館医務官情報

シリア

2010年8月

1.国名・都市名

 シリア・アラブ共和国(ダマスカス,アレッポ,ハマ,ホムス)(国際電話国番号963)

2.公館の住所・電話番号

 休館日:金・土曜日

3.医務官駐在公館

4.衛生・医療事情一般

 シリアの大部分は高原地帯からなりますが、北西部の一部が地中海に接しているほか不毛のシリア砂漠が多くを占めています。気候は沿岸部の地中海性気候と内陸部の砂漠性気候に大別され、ダマスカスは後者に属します。11月から3月までは雨季にあたり、それ以外は乾季です。気温は、夏の日中は40℃以上まで上昇することがありますが、夜は20℃前後まで下がります。一方、冬には氷点下まで気温が下がり、ダマスカスでも積雪が見られるなど、年較差、日較差ともに大きいのが特徴です。水道水は一般的に飲用に支障がないとされていますが、強い硬水であること、また給水タンクの衛生状態が悪いことから、飲用には水道水を煮沸するか、あるいは市販のミネラルウオーターの使用が勧められます。シリアの医療水準は、ダマスカスなどの大きい都市ではある程度設備の整った病院があって比較的良いですが、日本や欧米並の高度で親切な医療は望めません。公立病院は無料ですが、衛生度やサービス面で見劣りしますので、私立病院にかかることをお勧めします。但し、私立病院の医療費は高額です。地方で病気になった時はなるべく早くダマスカスなどの大きい都市に来て病院にかかる必要があります。

5.かかり易い病気・怪我

(1)感染性胃腸炎:ウイルス、細菌、真菌、原虫などが原因で起こり、下痢、腹痛、嘔吐、発熱などの症状を呈し、食べ物や水から感染します。初期は脱水などに対する対症療法を行いますが、症状が強い時は病院にかかって下さい。

(2)赤痢:赤痢菌が原因で起こる細菌性赤痢(潜伏期1〜3日)と赤痢アメーバという原虫が原因で起こる赤痢アメーバ症(潜伏期数日〜数ヶ月)があり、食べ物や水から感染し、下痢、腹痛に粘血便を伴うのが特徴です。感染力が強く、また治療が不適切だとキャリヤー(保菌者)になったりしますので、きちんとした検査と治療を要します。

(3)呼吸器感染症:気候が乾燥し、温度差が大きいため、ウイルスや細菌が原因で起こる上気道炎や肺炎にかかり易くなります。常に手洗いやうがい励行が必要です。

(4)急性肝炎:A型肝炎ウイルスが原因で食べ物や水から感染するA型肝炎(潜伏期1〜2ヶ月)とB型肝炎ウイルスが原因で血液や体液から感染するB型肝炎(潜伏期1〜6ヶ月)があり、発熱、全身倦怠感、食欲不振などの症状と黄疸が表れます。A、B型肝炎ともに日本で予防接種を受けることをお勧めします。その他に、やはり血液や体液を介して感染するC型肝炎もありますが、C型肝炎に有効なワクチンはまだ実用化されていません。

(5)腸チフス:チフス菌が原因で食べ物や水から感染しますが、潜伏期は1〜2週間で、不明の高熱で発症します。有効な抗菌剤治療が必要で、治療が遅れると重篤になりますので、不明の高熱が続く時は病院での診察、検査、治療を受けて下さい。

(6)ランブル鞭毛虫症:Giardia lambliaという原虫が原因で食べ物や水から感染し、潜伏期は2〜8週間で、下痢を起こします。執拗な下痢が続く時は検便を受けて下さい。ランブル鞭毛虫症には有効な治療が必要です。

(7)リーシュマニア症:シリアに多い風土病で、リーシュマニア属原虫が原因でサシチョウバエに刺されて感染します。発熱や貧血で発症する内臓リーシュマニア(潜伏期2週間〜1年)と皮膚潰瘍を起こす皮膚リーシュマニア(潜伏期1〜4週間)があります。特殊な治療が必要です。サシチョウバエに刺されないよう御注意下さい。

6.健康上心がける事

 疲労や睡眠不足が続きますと免疫力が低下していろいろな病気にかかり易くなりますので、十分休養を取ることが大切です。種々の感染症予防のために常に石けんを使って手洗いを励行しましょう。夏は食品の傷みが早く食中毒の原因になりがちですので、レストランでの食事や食品の買い物に気を付けて下さい。サラダ用生野菜は流水で十分洗って下さい。熱処理していないミルクやチーズからブルセラ症(ブルセラ菌による感染症、潜伏期は数週間から数ヶ月で、発熱と筋肉痛で発症します)にかかる可能性がありますので熱処理した乳製品を食べるよう注意して下さい。日差しが強く、乾燥しているため熱中症や脱水症を起こし易くなりますで、こまめに水分を補給する必要があります。紫外線が強いのでサングラスや日焼け止めクリームの使用をお勧めします。

7.予防接種(現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)PDF

(1)赴任者に必要な予防接種:入国時に必要な予防接種は特にありません。しかし成人は赴任前にA型肝炎、B型肝炎、破傷風の予防接種を受けることを勧めます。小児には一般的な定期予防接種を接種し終えてから入国されることをお勧めします。

(2)シリアの小児定期予防接種一覧

シリアの小児定期予防接種一覧
  初回 2回目 3回目 4回目 5回目
BCG 出生時        
ポリオ(経口) 出生時 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 18ヶ月
B型肝炎 出生時 3ヶ月 10ヶ月    
DPT 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 18ヶ月  
インフルエンザB 2ヶ月 3ヶ月 5ヶ月 18ヶ月  
MMR 15ヶ月        

(3)小児が現地校に入学する際には上記のワクチン接種証明の提出を求められます。なおアメリカンスクールではA型肝炎予防接種証明も必要です。

8.乳幼児健診

 日本で行われているような自治体レベルでの乳幼児健診は行われていませんが、公立の保健所では随時、乳幼児の予防接種や予防接種済証明書の発行、乳幼児健診などの業務を行っています。保健所は公立の医療機関なので健診費用は原則的に無料です。

9.病気になった場合(医療機関等)

◎ダマスカス

(1)Shami Hospital(シャーミー・ホスピタル)

所在地:Malki West Park, Damascus、新市街のマルキー地区にあります。

電話:(011)-3735090、3734960、ファックス:(011)-3732316

概要:シリアで随一の設備を誇ると言われる私立総合病院(100床)。救急外来があり、24時間対応可能。外国人、邦人がよく利用しています。

(2)French Hospital (フレンチ・ホスピタル)

所在地:Baghdad Street を越えてAl Manameh Street、新市街のカッサー地区のバブトゥーマ地区寄りにあります。

電話:(011) -444-0460〜1、ファックス:(011)-442-8072

概要:1903年設立、カトリック修道女会運営の私立総合病院(100床)。正式名称はSt.Louis Hospital (セント・ルイス・ホスピタル)ですが、通称フレンチ・ホスピタルで通じます。24時間対応救急外来やICUもあります。建物は古いですが比較的清潔で、在留邦人によると修道女の看護師による看護の評判がいいようです。医師、看護師長は英語、仏語可能です。

(3)Italian Hospital(イタリアン・ホスピタル)

所在地:Talyani Street, Damascus、新市街のイタリアーニ地区にあります。

電話:(011)-3326030、3326031、ファックス:(011)-3326032

概要:ローマ・カトリック系母体の経営する古い私立総合病院(50床)で、24時間対応可能です。

(4)Asadi Hospital(アサディー・ホスピタル)

所在地:West Mezzeh, Damascus、ダマスカス西部住宅地の西メッゼ地区にあります。

電話:(011)-6132500〜7、ファックス:(011)-6119247

概要:アサディー一族の経営する私立総合病院(70床)で、24時間対応可能です。

(5)Cham Clinic(シャーム・クリニック)

所在地:5 Al Timizi Street, Damascus、日本大使館やアサド橋の近くにあります。

電話:(011)-33387421、3322223、ファックス:(011)-3322223

概要:救急内科医と外科医の経営する私立の外来診療所で、24時間対応可能です。入院設備はありませんが、軽い症状の患者さんには利用し易いです。当地アメリカンスクール関係者や在留邦人がよく利用しています。

(6)Dr. Manhal Yazji(ドクトール・ヤーズィ)(歯科医)

所在地:West Villas, Mezzeh, Damascus、西メッゼ地区にあります。

電話:(011)-6114488、携帯電話:093-236367

概要:夕方のみの診療で、予約が必要です。歯冠治療が得意で、外国人がよく利用しています。

(7)Dr. Wafaa B. Boulos(ドクトール・ボーロス)(歯科医)

所在地:Bagdad Street-Sadat-Jadet Al Nahlawi、ファールークモスクの近くにあります。

電話:(011)-4424246

概要:在留邦人が利用して評判が良いようです。

○アレッポ(北部にあるシリア第二の都市)

(1)St. Louis Hospital(セント・ルイス・ホスピタル)

電話:(021) - 2229678、ファックス:(021) - 2252151

概要:カトリック系の私立総合病院で、アレッポ在住の国際機関職員や在留邦人が利用しています。セント・ルイス・ホスピタルという名称ですが、ダマスカスのフレンチ・ホスピタル(上記ダマスカス(2)参照)とは別の組織です。

○ハマ

(1)Al Hurani Hospital (アル・フラニ・ホスピタル)

電話: (033) - 525252、ファックス: (033) - 524565

概要:築10余年の私立総合病院で、最近心カテ施設を増設しています。循環器科、心カテ、脳外科、産婦人科、外科、整形外科など、各科の対応が可能ですが、熱傷は対応不可です。

○ホムス

(1)Al Kendi Hospital(アル・ケンディ・ホスピタル)

電話:(031) - 2482259、ファックス:(031) - 489516

概要:築十余年の総合病院(60床)で、施設はやや古く、院内にはアラビア語表記のみです。英語可能な医師はかならず在駐していますが、看護スタッフは英語不可とのことです。外科、脳外科、眼科、循環器科、産科婦人科など、各科の対応が可能で、ICUもあります。

10.その他の詳細情報入手先

WHO(国連世界保健機関)

所在地:ダマスカス市のシリア保健省内

担当者:Dr. Nazar Elfaki(ナザール・エルファキ)医師

電話:(011) -3329315、ファックス:(011) -3330289

概要:国連世界保健機関シリア支部の技官で、シリアの保健衛生事情や、鳥インフルエンザなどの情報に詳しいです。

11.現地語一口メモ(アラビア語)

病院 マシュファ

医者 タビーブ

薬 ダワ

注射 ハクナ

頭痛 スダ

胸痛 アラム・サドゥル

腹痛 アラム・バトゥン

下痢 イスハール

発熱 フンマ

吐き気 ガサヤーン

咳 スアール

切り傷 ジルヘ

歯科医 タビーブ・アスナーン

歯痛 アラム・アスナーン

具合が悪い。 マリードゥ

病院に連れて行って下さい。 フズニ・イラー・マシュファ

私は頭が痛い。 インディ・スダ

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