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省員徒然草



イエメン便り(最終回):将来を担う子どもたちの期待にこたえて

小学校の女生徒達:草の根無償資金に感謝を込めて  日本はイエメンに対する主要援助国で、政府開発援助(ODA)を通じて、イエメンの経済社会開発努力に協力しています。実際、経済協力は日本とイエメンの関係の中心的な要素になっています。したがって、国民的な理解と支持を得て、イエメンに対する日本の経済協力を効果的に推進することは、在イエメン日本大使館にとって最も大切な任務となっていますが、経済協力担当官として、私は、子どもたちを対象とした協力を行うよう心がけています。
 低開発途上国であるイエメンの子どもたちは、日本の子どもたちに比べてはるかに過酷な環境に置かれています。イエメンの乳幼児死亡率は80/1000出生、初等教育就学率は55%といずれも世界的に見て低水準であり、14歳以下の人口が全人口のは約半分を占めるこの国では、母子保健と初等教育の改善が最も重要な開発課題になっています。日本のイエメンに対する経済協力は、DAC(開発援助委員会)の新開発戦略を重視し、地方の水道整備に加え、母子保健と初等教育を重点分野として行っていくという方針が打ち出されています。日本は、長年、イエメンの結核対策に協力してきましたが、母子保健の分野では、ここ数年ポリオ撲滅に対する協力を行っているほか、現在、地方病院の医療機材を整備するための無償資金協力を実施する準備を進めています。
 初等教育の分野では、これまで、草の根レベルで協力を行ってきました。昨年度は、首都サナアの小中学校の改修計画を支援しました。約3000人の児童が通学するこの学校は、どの教室も窓ガラスが割られ、壁が薄汚れ、黒板がはがれ、電気がないといった劣悪な状態でした。日本の草の根無償資金協力で改修工事が行われ、学習環境は改善されましたが、改修された校舎の維持・管理が重要であるとの考え方から、当館は学校側にPTAの活性化を求め、学校側はその努力を行っています。
 大使をはじめ大使館員が出席して開催された校舎改修を記念するセレモニーでは、児童たちがアラビア語の唱歌を次々と歌ってくれました。子どもたちの笑顔は、まさに最高の感謝の表現です。イエメンでは、たとえ劣悪な教室であっても通える学校がある地域はまだ恵まれており、特に地方では校舎の数が圧倒的に不足しています。今後は、イエメン側の自助努力を求めつつ、日本としては草の根レベルでの校舎の改修を支援し続けるとともに、より大規模な無償資金協力を行い、校舎の建設にも取り組んでいければと考えています。
 どの国でも子どもたちが健康に成長し、基本的な教育を受ける環境を作ることは大人たちの責務です。その国の将来を担う子どもたちのために果たすべき大人たちの責任は重大です。大人の子どもに対する責務は、家庭、社会、国境を越えて存在するものであると信じて疑いません。

在イエメン日本国大使館 二等書記官 山本英昭

(1999年8月)


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