インドネシアの「西カリマンタン州公立病院医療サービス改善計画」に対する無償資金協力について
平成17年3月31日
- わが国政府は、インドネシア共和国政府に対し、「西カリマンタン州公立病院医療サービス改善計画」(the project for Improvement of Medical Care of Public Hospitals in West Kalimantan Province)の実施に資することを目的として、4億3,500万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、3月31日(木)、ジャカルタにおいて、わが方飯村豊駐インドネシア国大使と先方ヘリヤント・スプラプト外務省アジア・太平洋・アフリカ総局長(Mr. Herijanto Soeprapto, Director General of Asia Pacific and Africa, Department of Foreign Affairs)との間で行われた。
- インドネシアでは、保健医療行政システムの整備や保健医療従事者の育成、家族計画活動の推進等を通じて、健康水準の改善が進められてきた。しかし、地方部の健康水準は依然改善の余地が大きく、経済発展が遅れている西カリマンタン州では健康水準が低い状況に留まっている。特に、乳幼児死亡率は51‰(全国平均44‰)、妊産婦死亡率は10万人あたり500人(全国平均10万人あたり390人)であり、健康水準の改善が喫緊の課題となっている。
インドネシア保健省および西カリマンタン州保健局は、世界銀行や国連人口基金の支援をもとに、社会的弱者となる妊産婦や乳幼児医療の充実、高齢者への配慮など、健康水準の改善に取り組んでいる。その結果、保健センターを中心とする一次医療施設は改善の兆しが見られるが、その後方支援を担う州病院、県病院、市病院などの二次医療施設は予算の制約から施設を整備することができず、十分な医療サービスが提供できない状況にある。このような状況の下、インドネシア政府は、西カリマンタン州の二次医療施設である11カ所の公立病院において主な診療活動となる産科救急ケアをはじめとする基礎医療を改善する機材の調達および病院職員への操作指導等のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、西カリマンタン州における診療体制の信頼性が向上し、乳幼児死亡率および妊産婦死亡率の改善が期待される。
(参考) インドネシアは、面積約190万5,000平方キロ、人口2億1,990万人(2003年)、人口 1人当たりのGNI(国民総所得)約710米ドル(2002年)である。
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