ベナン共和国の「コトヌ零細漁業開発計画」に対する無償資金協力について
平成17年1月14日
- わが国政府は、ベナン共和国政府に対し、「コトヌ零細漁港開発計画(Projet d'Amenagement du Port de peche de Cotonou)」の実施に資することを目的として、2億8,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が1月14日(金)、アビジャンにおいて、わが方平松武駐ベナン臨時代理大使(コートジボワールにて兼轄)と先方オメール・ドゥ・スーザ在コートジボワール・ベナン大使(Son Excellence Monsieur Omer de SOUZA, Ambassadeur Extraordinaire et Plenipotentiaire de la Republique du Benin aupres de la Cote d'lvoire)との間で行われた。
- ベナン国民は水産物嗜好が強く、動物性蛋白質の30~50%を水産物から摂取しており、零細漁業の整備と発展は同国の「国家経済社会開発計画」において戦略基軸の一つとなっている。
ベナン最大の都市であるコトヌ市に位置するコトヌ漁港は同国の小型漁船の3分の1以上が集中する零細漁業の中心地である。同港はコトヌ商港の東部に位置していることから、近年の商業輸送の需要増加に伴う商港内の過密状態の影響を大きく受けている上、利用漁船数が年々増加しているにもかかわらず、水揚場・接岸施設等のインフラが不足しており、水揚浜の広さも限られているため操業効率が悪くなっている。また、製氷施設や漁獲物の保存施設がないため,漁獲後の鮮度低下が著しく、同港の漁獲物の市場はほぼコトヌ市内に限られている。特に大漁時には、漁獲物は燻製材料として非常に安価で販売されるだけでなく、多くの投棄が生じており、漁獲後損失の削減が大きな課題となっている。
このような状況の下、ベナン政府は零細漁業の振興を図ることを目的とする「コトヌ零細漁港開発計画」を策定し、この計画の実施のための水産基盤施設の建設に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、水揚時の労働環境の改善や、水産物の鮮度改善が図られ、ベナン国民への良質な水産物の供給および零細漁業者の収入の増加が期待される。
(参考)ベナンは、アフリカ大西洋岸に位置する東西80km-南北670kmの長方形をした国であり、総人口が660万人、一人当たり国民総所得が360ドル(2001年)の低所得国(世銀ランク)である。
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