モーリタニアの「ヌアクショット水産物衛生管理施設整備計画」に対する無償資金協力について
平成16年9月21日
- わが国政府は、モーリタニア・イスラム共和国政府に対し、「ヌアクショット水産物衛生管理施設整備計画(Le project d'amenagement des Conditions de Salubrite et d' Hygiene des Produits Halieutiques a Nuakchott)」の実施に資することを目的として、10億1,800万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が9月21日(火)、セネガル国ダカール市において、わが方中島明駐カメルーン国大使と先方ウルド・モハメド・ヤフヤ在セネガル・モーリタニア大使(Ambassadeur de la Republique Islamique de Mauritanie au Senegal)との間で行われた。
- 水産業はモーリタニアの基幹産業であり、水産物輸出額は、同国の輸出総額の約4割を占めている。
近年、欧州は水産物輸入に当たって、厳しい衛生検査基準を設定しており、これを受け、モーリタニアでも1996年にEU関連基準に準拠したモーリタニア輸出水産物衛生基準を策定し、水産物輸出に際し、水産物や使用水、加工場等の検査を行い、輸出加工場の認定と輸出水産物衛生証明書の発行を行う輸出関連検査機関(IMROP)を同国北部のヌアディブに設置した。
同国有数の水揚げ地であるヌアクショット魚市場は、わが国の無償資金協力で1995年から96年にかけて建設され、本市場建設によりヌアクショットの水産物水揚げは年間8,000トンから30,000トン以上まで増大し、市場を通じた水産物輸出量は約3,000トンに上っている。しかしながら、この市場はモーリタニア輸出水産物衛生基準策定前に建設されたため、市場がEUの衛生基準に対応していない上に検査所が整備されておらず、ヌアクショットで水揚げされた輸出向け水産物は、約500km離れたヌアディブのIMROP検査場まで検体を輸送して検査を実施しており、水産物輸出の増大に対応することが困難となっている。
- このような状況の下、モーリタニア政府は、IMROPのヌアクショット検査場を新規建設するとともに、ヌアクショット魚市場の改修等を行うことにより、輸出水産物関連衛生検査機能の整備、輸出水産物の市場流通機能の改善を行うことを目的として「ヌアショット水産物衛生管理施設整備計画」を策定し、わが国に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、ヌアクショット魚市場の衛生環境面が改善され、ヌアクショットから欧州等への水産物輸出の安定的発展が期待される。
(参考)
モーリタニアは、アフリカ西部に位置し、面積は103万km2(日本の約2.7倍)、人口は約283万人、一人あたりのGNI(国内総所得)は約410米ドルである。
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