ニカラグアの「農道建設機材整備計画」に対する無償資金協力について
平成16年8月25日
- わが国政府は、ニカラグア共和国政府に対し、「農道建設機材整備計画(El Proyecto de Complementacion y Ampliacion de Equipos de Construccion para la Rehabilitacion y Mejoramiento de Caminos Rurales)」の実施に資することを目的として、8億1,200万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が8月25日(水)(現地時間24日(火))、マナグアにおいて、わが方加賀美充洋駐ニカラグア国大使と先方ノルマン・カルデラ・カルデナル外務大臣(Norman Caldera Cardenal, Ministro de Relaciones Exteriores de la Republica de Nicaragua)との間で行われた。
- ニカラグアにおいて農業は国内総生産の30%、就労人口の40%を占めており、国家の主要産業であり、農畜産物の品質向上、生産コスト削減による競争力の強化、生産量の拡大が重要な課題とされている。その中でも、農道の整備は、経済損失を縮小し、農畜産物の生産性向上および保健、教育施設へのアクセスの向上など、住民の孤立防止策として必要とされている。
ニカラグアの道路網は一般道を含め計19,000kmであるが、そのうち14,000kmある農道のほとんどが未舗装である。このため、農畜産物の市場アクセスは困難であり、農牧業の潜在力を生かせず、農村の貧困層の収益を得る手段を制約しており、ニカラグアの農業分野の大きな課題となっている。
ニカラグア政府は、全国規模の農道整備計画を策定し実施してきているが、農道整備用機材は不足している。一方で全国からの農道整備要請は多数あり、現有機材では農道整備の需要に応えることが出来ないのが現状である。
このような状況の下、ニカラグア政府は、農産物の生産量、裨益者数、交通量、緊急性などから総合的に優先度をつけ、2005年から2007年の3年間にわたる農道整備計画を策定し、その実施のために必要となる農道整備機材購入のための資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、農道整備能力が増強され、農産物の市場へのアクセスの改善および地域住民の社会サービスへのアクセスの改善が期待される。
(参考)
ニカラグアは中米5カ国の一つであり、人口は507万人、農牧業を主要産業としている。一人あたりのGDP(国内総生産)は754ドル(2003年、中銀)。
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