ベトナムの「フエ中央病院改善計画」に対する無償資金協力について
平成16年7月2日
- わが国政府は、ベトナム社会主義共和国政府に対し、「フエ中央病院改善計画」(the Project for Improvement of Facilities for the Hue Central Hospital)の実施に資することを目的として、28億2,500万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、7月2日(金)、ハノイにおいて、わが方服部則夫駐ベトナム国大使と先方チャン・ティー・チュン・チエン保健大臣(H.E. Ms. TRAN THI TRUNG CHIEN, Minister of Health)との間で行われた。
- ベトナム中部地域の住民は、わが国がこれまで無償資金協力を実施してきた南部のチョーライ、北部のバックマイ両病院の医療サービスを受けることが地理的に難しい状況にあり、ベトナム政府はフエ中央病院を中北部の基幹病院と位置づけている。しかしながら、同病院は中央診療機能部門と外来機能部門が敷地内に分散配置された非効率な診療機能と、施設・機材の老朽化が原因で医療サービスの低下を招き、外来患者の増加と規定数を超過する入院患者への対応が困難な状況にある。このような状況の下、ベトナム政府はフエ中央病院の施設機能の集中化を目的とした中央診療棟・外来棟などの建設と、両棟および既存の小児科・産婦人科に必要な医療機材の整備計画を策定し、この計画のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものであり、これは、わが国のベトナムに対する重点援助分野(医療・保健:病院建設)にも合致するため実施するものである。
- この計画の実施により、老朽化した病院施設・機材の充実化が図られ、診療・外来機能の集約化による待ち時間や病院内での移動距離の短縮など医療サービスの改善が見込まれるほか、中北部地域の医療拠点が整備されることにより、同地域全域の医療水準の向上が期待される。
(参考)
ベトナム社会主義共和国は、東南アジアに位置し、国土面積は32万9,241平方キロ、総人口約8,020万人(2003年)、1人あたり国民総所得(GNI)が約410ドル(2003年)の低所得国(世銀ランク)である。
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