レソトの「小学校建設計画」に対する無償資金協力について
平成16年6月25日
- わが国政府は、レソト王国政府に対し、「小学校建設計画」(the Project for Construction of Primary Schools) の実施に資することを目的として、10億600万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月25日(金)、マセルにおいて、わが方重家俊範駐レソト国大使(南アフリカにて兼轄)と先方モーラビ・ツェコワ外務大臣(Mr. Mohlabi Tsekoa, Minister of Foreign Affairs)との間で行われた。
- レソトは “Education for All”の目標を達成するために「子どもの権利条約」を1992年に批准し、続いて1993年にレソト国憲法を制定し「初等教育はすべての者の義務であり、すべての者に提供される」としている。この目標を2015年までに達成するためにレソトは「初等教育無償化プログラム」を策定・施行し、初等教育の無償化に取り組んでいる。この初等教育無償化政策により就学希望者は大幅に増加したものの、同国の依然として厳しい財政事情から、就学希望者増加に対応するだけの校舎数を整備することが困難な状況である。また、この計画の対象となる首都のあるマセル県およびベレア県においては工業地帯が発達しつつあり、また近隣県では旱魃に見舞われ生活状況が悪化していることなどから、これら地域からの人口の流入により、同都市部の人口が急激に増加しているため、教育施設の整備が急務となっている。このような状況のもと、レソト政府は初等教育を全ての児童が享受できるようにするために、教育施設の不足状況の改善を目的とし、特に教室不足が著しいマセル県およびベレア県における小学校建設に必要な資金につき、わが国に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、対象校の就学予定児童1万1,450人を対象に学習環境が整備されることとなる。
- なお、今回の協力は、第3回アフリカ開発会議(TICAD III)において小泉純一郎総理大臣が表明したアフリカへの支援の一環で実施されるものである。
(参考)
レソトは、総人口が204万人で、一人当たりGNI(国民総所得)が550ドル(2001年)の低所得国(世銀ランク)である。
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