中国に対する円借款の供与(2003年度分)について
平成16年3月30日
- わが国政府は、中華人民共和国政府に対し、「対中国経済協力計画」に基づく支援を実施するため、総額966億9,200万円を限度とする額の円借款を供与することとし、このための書簡の交換が、3月31日(水)、北京において、わが方阿南惟茂在中国大使と先方王毅外交部副部長(His Excellency Mr. WANG Yi,Vice-Minister of Foreign Affairs of the People's Republic of China)との間で行われる予定である。
対象案件および供与限度額
(1) |
公衆衛生基礎施設整備計画 |
262億1,800万円 |
(2) |
江西省植林計画 |
75億 700万円 |
(3) |
湖北省植林計画 |
75億3,600万円 |
(4) |
内蒙古自治区フフホト市水環境整備計画 |
97億4,700万円 |
(5) |
内陸部・人材育成計画 (地域活性化・交流、市場ルール強化、環境保全) |
254億8,200万円 |
(6) |
放送施設整備計画 |
202億 200万円 |
|
供与限度額 総額 |
966億9,200万円 |
- 対象案件の概要
(1) |
公衆衛生基礎施設整備計画
公衆衛生に係る基礎的施設・機器の整備、わが国での研修生受け入れ等により、感染症対策の強化を図る。 |
(2) |
江西省植林計画
長江中流域の土壌流出軽減、生態系保全等を目的として、江西省で植林(約22万ha)を行う。 |
(3) |
湖北省植林計画
長江中流域の土壌流出軽減、生態系保全等を目的として、湖北省で植林(約29万ha)を行う。 |
(4) |
内蒙古自治区フフホト市水環境整備計画
市内河川の水質改善等を目的として、内蒙古自治区フフホト市において、下水処理施設の整備を行う。 |
(5) |
内陸部人材育成計画(地域活性化・交流、市場ルール強化、環境保全)
内陸部の高等教育機関に対し、ソフト面(日本での研修等の実施)・ハード面(設備・施設等の整備)への支援を行う。 |
(6) |
放送施設整備計画
地方のテレビ・ラジオ放送局において、本邦企業の優れた放送設備・技術を導入するとともに、日本での研修、日本関連の番組の提供、番組の共同制作を通じて、日中の相互理解の増進を図る。 |
- 供与条件
対象案件:(1)の研修部分、(2)、(3)、(4)、(5)の研修部分
(1) |
金 利:年0.75%(優先条件) |
(2) |
償還期間:40年(10年の据置期間を含む。) |
(3) |
調達条件:一般アンタイド |
対象案件:(1)の研修を除いた部分、(5)の研修を除いた部分
(1) |
金 利:年1.5%(一般条件) |
(2) |
償還期間:30年(10年の据置期間を含む。) |
(3) |
調達条件:一般アンタイド |
対象案件:(6)
(1) |
金 利:年0.75%(本邦技術活用条件) |
(2) |
償還期間:40年(12年の据置期間を含む。) |
(3) |
調達条件:日本タイド |
- 今回実施される2003年度分の円借款の供与については、2001年に策定された「対中国経済協力計画」に沿って、わが国の経済・財政事情を勘案しつつ検討した結果決定したものである。
- なお、今回の円借款の供与により、これまでにわが国が中国に供与した円借款(特別円借款含む)の総額は交換公文(E/N)ベースで3兆471億8,100万円となる。
(参考)
- 今回の円借款の特徴等
(1) |
規模
2003年度円借款の規模は対前年度比約20%(約245億円)減であり、3年間で半分以下(約55%減)となっている。 |
(2) |
内容
対中国経済協力計画が重点分野としている「環境保全など地球的規模の問題に対処するための協力」、「人材育成」に該当するとともに、日中間の人的交流が促進されるなど、わが国にとっても意義のある「互恵性」のある案件となっている。 |
- 分野別(比率は全体に占める割合)
環境保全 約510億円(約53%)
人材育成 約457億円(約47%)
- 本邦技術活用条件とは、わが国の優れた技術やノウハウを活用し、途上国への技術移転を通じてわが国の「顔の見える援助」を促進するために創設された日本タイドの借款。
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