グルジアの「母子保健一次医療機材整備計画」に対する無償資金協力について
平成16年2月2日
- わが国政府は、グルジア政府に対し、「母子保健一次医療機材整備計画」(the Project for Improvement of Medical Equipment of Primary Health Care Facilities in the Field of Mother and Child Health)の実施に資することを目的として、2億4,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、2月2日(月)、トビリシにおいて、わが方藤原稔由在グルジア大使とテド・ジャパリッゼ外務大臣(Tedo Japaridze, Minister of Foreign Affairs)との間で行われた。
- グルジアの保健医療システムは、体制移行期の混乱、経済の低迷、旧社会主義国に共通して見られる公共サービスに対する低いコスト意識および適切な医療戦略の欠如等から十分な医療サービスを提供できないため、妊産婦死亡率および乳幼児死亡率は、他のNIS(旧ソ連新独立国家)諸国、EU(欧州連合)諸国に比して深刻な状況にある。
このような母子にかかる保健指標の悪化に伴い、グルジア政府は1999年に母子保健を最優先分野とした「国家保健政策」を策定し、乳児死亡率、死産率、妊産婦死亡率をそれぞれ15%低下させることを具体的目標とした。しかしながら、財政難のため適切な医療サービスを提供するために必要な機材は老朽化し、母子を対象とした保健医療サービス改善の大きな阻害要因となっている。
このような状況の下、グルジアは、母子保健一次医療の改善を目的として「母子保健一次医療機材整備計画」を策定し、基礎的医療機材の更新に必要な資金につき、わが国政府に対して、無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、母子保健一次医療分野の診断機能および予防接種体制が整備され、グルジア全土の妊産婦および乳幼児に対して均一で質の高い医療サービスが提供される。
(参考)
グルジアでは昨年11月2日に行われた議会選挙につき、野党およびその支持勢力が取り消しを求めて同月22日に議会および大統領府を占拠、翌23日にシェヴァルナッゼ・エドゥアルド・アンヴロシェヴィチ大統領が辞任する無血の政変が発生した。大統領辞任を受けて今年1月4日には新大統領が選挙が実施され、政変で中心的役割を果たしたミハイル・ニコラエヴィチ・サーカシビリ氏が当選し、1月25日に大統領に就任している。なお、グルジアは、人口約520万人、一人当たりGNI(国民総所得)は720ドルの国である。
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