セントビンセント・グレナディーン諸島の「キングスタウン魚市場改修計画」に対する無償資金協力について
平成15年8月27日
- わが国政府は、セントビンセント・グレナディーン諸島政府に対し、「キングスタウン魚市場改修計画(the project for Re-modeling of New Kingstown Fish Market)」の実施に資することを目的として、7億5,500万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が8月27日(水)、キングスタウンにおいて、わが方釣田薫在セントビンセント・グレナディーン諸島臨時代理大使と先方ラルフ・ゴンザルベス首相(Ralph E. Gonsalves, Prime Minister)との間で行われた。
- セントビンセント・グレナディーン諸島の首都キングスタウンの魚市場は、1987年に我が国の無償資金協力により建設されたことから「リトル東京」と呼ばれ、セントビンセント島における水産物の約90%が水揚げされる零細漁民の水揚基地として同国の水産流通の拠点となっている。
このような中、1999年に東カリブ一帯で魚毒被害が発生したことにより、水産物の衛生に対する国民の関心が高まっているが、築15年を過ぎ、老朽化した同市場では、消費者の要求に対応できない状況にある。
このような状況の下、セントビンセント・グレナディーン諸島政府は、「キングスタウン魚市場改修計画」を策定し、キングスタウン魚市場の改修および国際衛生基準に準拠した加工衛生管理施設の建設に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものであり、これはセントビンセント・グレナディーン諸島に対するわが国の援助重点分野(経済・社会インフラ整備)にも合致するため実施することとしたものである。
- この計画の実施により、水産物の生産・流通が改善され、衛生的で付加価値の高い水産物が市場に提供できることにより、国民に安全性の高い水産物が安定的に供給され、セントビンセント・グレナディーン諸島の水産物物流の活性化による零細漁民の収入向上が期待される。
(参考)セントビンセント・グレナディーン諸島は、カリブ海の大小30以上の島からなる種子島よりもやや小さい面積の島嶼国であり、人口は約11万人、一人あたりのGNI(国内総所得)は約2,610米ドルである。
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