エクアドルの「基礎保健サービス強化計画」に対する無償資金協力について
平成15年8月9日
- わが国政府は、エクアドル共和国政府に対し、「基礎保健サービス強化計画」(El Proyecto para el Fortalecimiento del Servicio Basico de Salud)の実施に資することを目的として、3億5,900万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が8月8日(日本時間9日)、キトにおいて、わが方平松弘行在エクアドル大使と先方パトリシオ・スキランダ・デゥケ外務大臣(Patricio Zuquilanda Duque, Ministro de Relaciones Exteriores)との間で行われた。
- 南米に位置するエクアドル共和国(人口約1,209万人)では、外貨不足および国家収支の悪化により経済が深刻の度合いを深めており、一人あたりGNPは1997年の1,590ドルから2001年には1,240ドルに急激に低下するに至っている。この影響により、保健医療分野においては、特に地方の保健所では医療機材の更新ができないほか、ワクチンおよび医薬品の不足により、多くの貧困層住民は十分な医療サービスを受けることができない状況にある。このようななか、2001年にエクアドル政府は、この問題の解決のために「基礎保健および保健促進普及拡大計画」を策定し、保健サービスの強化に努めているが、予算が十分に手当てできないため、所期の効果を挙げるには至っていない。
このような状況の下、エクアドル政府は、「基礎保健サービス強化計画」を策定し、ワクチン製造機材、地方の保健所で使用する基礎的な医療機材等の調達に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、国内需要を満たすワクチンの製造が可能となり、毎年約30万人の乳幼児が適切なワクチン接種を受けることができるほか、地方部に居住する約28万人の貧困層住民が十分な保健サービスを受けることが可能となることが期待される。
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