アフガニスタンの「カブール国際空港機材整備計画」および「道路セクター・プログラム無償」に対する無償資金協力について
平成15年5月4日
- わが国政府は、アフガニスタン移行政権に対し、「カブール国際空港機材整備計画」および「道路セクター・プログラム無償」の実施に資することを目的として、総計33億4,100万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が5月4日(日)、カブールにおいて、わが方駒野欽一在アフガニスタン大使と先方アブドラ・アブドラ外務大臣(Dr. Abdullah Abdullah, Minister of Foreign Affairs)との間で行われた。
(1) |
「カブール国際空港機材整備計画」
The Project for Improvement of Equipment of the Kabul International Airport |
: |
3億4,100万円 |
(2) |
「道路セクター・プログラム無償」
Road Sector Programme Grant Aid |
: |
30億円 |
(1)「カブール国際空港機材整備計画」
アフガニスタンのカブール国際空港は、長年の紛争により、滑走路や施設の損傷が激しく、また、タラップ、フォークリフト、牽引車等の地上支援機材の老朽化も著しいため、旅客荷物の運搬等空港の運営は非効率な人力作業に頼らざるを得ず、カブール国際空港は十分に機能していない状況にある。
このような状況の下、アフガニスタン移行政権は、「カブール国際空港機材整備計画」を策定し、カブール国際空港のサービスを向上させるとともに、保安体制を強化するための手荷物用X線検査機、旅客用タラップ、コンテナドーリー、ハイリフトローダー等の機材の調達に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
この計画の実施により、カブール国際空港のサービスの向上、および保安体制・対テロ対策が大幅に改善され、旅客数や空港を利用するエアライン数の増加に対応できる運用体制となり、海外からの人や物資の流通が円滑化され、内陸国であるアフガニスタンの復興事業の推進に資することが期待される。
(2)「道路セクター・プログラム無償」
アフガニスタンの主要都市を結ぶ幹線道路は長年の紛争により劣悪な状態にあるため、経済社会活動の大きな障害となっており、アフガニスタンの復旧・復興、難民・避難民の帰還を進め、国民和解を促進する上で幹線道路の整備は、必要不可欠かつ喫緊の課題として、ハミード・カルザイ移行政権大統領の政治公約となっている。このため、わが国は、アフガニスタン移行政権を下支えする観点から昨年9月に小泉純一郎総理大臣は日米共同事業として、わが国が5,000万ドルを目途としてカンダハル・カブール間の道路整備を支援することを表明した。
なお、今回の道路セクター・プログラム無償は、5,000万ドルの一環として、アフガニスタン移行政権の要請に応じ、カンダハル・カブール間の幹線道路の整備に必要な資機材および役務に活用される。
この計画の実施により、主にカンダハルを起点としてカブールに向かう区間の道路が整備されることになり、付近住民の経済社会活動、難民・避難民の帰還が促進され、アフガニスタンの復旧・復興が着実に進むとともに、首都カブールと最大部族パシュトゥーン族の住民が多いカンダハルとの間の人の往来、物流が活発になり、国民和解が進むことが期待される。
- なお、今回の協力は、2002年1月、アフガニスタン復興支援国際会議において、わが国政府が支援を表明した向こう2年6カ月で行う5億ドルまでの復興支援の一環として実施されるものであり、これまでに復旧・復興支援として約3億9,000万ドルの支援を実施したことになる。
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