中国の「第二次中等専業教育学校機材整備計画」ほか1件に対する無償資金協力について
平成15年4月18日
- わが国政府は、中華人民共和国政府に対し、「第二次中等専業教育学校機材整備計画」および「内陸部救急医療センター機材整備計画」の実施に資することを目的として、総額22億6,300万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、4月18日(金)、北京において、わが方阿南惟茂在中国大使と先方安民商務部副部長(An Min, Vice Minister, Ministry of Commerce)との間で行われた。
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「第二次中等専業教育学校機材整備計画」
(the project for Supply of Equipment for the Secondary Vocational Schools (Phase II)) |
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供与限度額 12億6,800万円 |
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「内陸部救急医療センター機材整備計画」
(the project for Improvement of Equipment for Emergency Centers in Interior Regions) |
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供与限度額 9億9,500万円 |
- (1)「第二次中等専業教育学校機材整備計画」
中国の教育政策では、経済的に恵まれない青壮年や中等学校卒業者等を優秀な技術者として養成することに重点をおき、人的資源の底上げを図ることとしており、1998年に中国国家教育委員会が発表した基本方針においても、技術者の養成が重点分野として位置付けられている。また、近年における中国の国営企業の改革の中で、多くの潜在的な失業者が問題になってきており、これら失業者の再就職のための技術習得の場としても、中等専業教育学校はますます重要となっている。このような背景の下、中国政府は専業教育の向上を図るべく、各省・自治区に多数存在する中等専業教育学校を統合し、モデル校を設置して新施設の建設を行っているが、内陸部の多くの専業教育学校においては教育機材が不足している状況にある。
こうした状況を踏まえ、中国政府は、同モデル校において模範的な技術教育を実施するため「中等専業教育学校機材整備計画」を策定し、内陸部7省・自治区のモデル校を対象に、教育機材の整備にかかる資金につき、わが国政府に無償資金協力を要請してきたものである。
この計画の実施により、各地域での人材需要に応えた多様な技術者の養成が図られるとともに、地域全体の技術者のレベルアップが期待される。
(2)「内陸部救急医療センター機材整備計画」
中国においては、自動車普及に伴う交通事故や工場・建設現場での労災事故の多発、心疾患、脳血管障害等の発生の増大等の状況が見られ、緊急処置を要する救急患者の増加が著しく、救急医療においては、国土の広大なこともあり、現場及び搬送中の初期治療が極めて大きな役割を果たしている。
このような背景の下、中国政府衛生部は、救急医療サービス体制の整備を医療政策の最優先課題として掲げ、2000年までに大都市と大部分の中規模都市に、2010年までに中規模都市全市と小都市の一部分に救急医療センターを整備することを目標とする「救急センター整備構想」を1994年に作成したが、特に内陸部地域において、救急治療に不可欠な車両・機材の整備が進まず、緊急連絡があっても救急車が対応できない事態が多発している。
このような状況の下、中国政府は、9省・自治区(10都市)における救急センターの救急車両及び救急医療機材の整備の実施に必要な資金につき、わが国政府に無償資金協力を要請してきたものである。
この計画の実施により、対象都市の医療体制整備が促進されることが期待される。
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