セルビア・モンテネグロに対する無償資金協力について
平成15年4月15日
- わが国政府は、セルビア・モンテネグロ政府に対し、「セルビア共和国中核病院医療機材整備計画(Project for Improvement of Medical Equipment for MainHospitals in Republic of Serbia)」の実施に資することを目的として、13億9,200万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が4月15日、ベオグラード市において、わが方岡本治男在セルビア・モンテネグロ臨時代理大使と先方ブランコ・ルコヴァツ対外経済関係大臣(Branko Lukovac, Minister for International Economic Relations)との間で行われた。
- セルビア・モンテネグロは、2000年10月の新政権誕生以来、民主化に向けた諸改革に着手しているが、同国では長期にわたる旧ユーゴ紛争および国際社会による経済制裁の影響により経済は疲弊しているため、同国の医療機関においても国民に対して十分な医療サービスを提供できない状況にある。さらに近年、近隣諸国からの難民、国内避難民が流入しているため、失業者および貧困層住民の割合が増加するなど医療対策は緊急の課題となっている。セルビア・モンテネグロ政府は国家再建の柱として医療保健分野の改善を最優先課題とし、セルビア共和国内の地方中核4病院の診療および緊急医療用医療機材を整備し、必要とされる医療サービスの提供を行おうとしているが、国家財政の悪化のため、実施が困難な状況にある。
このような状況の下、セルビア・モンテネグロ政府は、「セルビア共和国中核病院医療機材整備計画」を策定し、この計画の医療機材の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、対象4病院において、精度の高い診断および治療が可能となり、難民および国内避難民も含む約220万人の住民に対する医療サービスの質が向上することが期待される。
|