「人間の安全保障委員会第5回会合」および「人間の安全保障国際シンポジウム」の開催について
平成15年2月14日
- 外務省は、2月23日(日)、24日(月)の両日に人間の安全保障委員会主催による「人間の安全保障委員会第5回会合」開催の機会に、2月25日(火)、「人間の安全保障国際シンポジウム」を、東京(赤坂プリンスホテル)において開催する。
- このシンポジウムは、人間の安全保障委員会第5回会合において、人間の安全保障委員会最終報告書が採択されることを受け開催されるものであり、シンポジウムには、緒方貞子およびアマルティア・セン人間の安全保障委員会両議長をはじめとする各界の有識者がパネリストとして参加する。
- このシンポジウムでは、「人間の安全保障―国際社会が様々な脅威に直面する時代におけるその役割」のテーマのもと、「紛争下の人間の安全保障」、「開発と人間の安全保障」、「理論と実践(人間の安全保障の実践例の紹介と現実への適用)」の3つのセッションにおいて、人間の安全保障委員会最終報告書の概要について説明が行われるとともに、報告書の提言部分の概要について、わが国を含む国際社会がとるべき方策について議論が行われる予定である。
(参考)
- 人間の安全保障委員会は、2000年9月の国連ミレニアム・サミットにおけるわが国の呼びかけに応える形で、2001年1月の東京における緒方貞子国連難民高等弁務官(当時)とアナン国連事務総長との会談を受けて設立された。
同委員会は、緒方現アフガニスタン支援担当総理特別代表とアマルティア・セン・ケンブリッジ大学トリニティーカレッジ学長を共同議長とし、両名を含む12名の世界的有識者をメンバーとして、人間の安全保障の考え方を深め、国際社会にとって具体的な行動の指針となるような提言を出すことを目的としている。
- 「人間の安全保障」の考え方
近年、グローバル化が急進し、感染症、環境問題といった国境を越える問題が世界中に拡大するとともに、多発する地域紛争や経済的な要因により発生する難民や国内避難民などの非自発的な人の移動が大きな問題となっている。
こうした中で、人間一人ひとりの生存、生活、尊厳を直接に脅かす深刻かつ広範な問題を克服するため、伝統的な「国家の安全保障」の考え方に加えて、個人やコミュニティを保護し、またそれらの能力を高めつつ、それぞれの個人が持つ豊かな可能性を守り、一人ひとりの視点を重視する取り組みの強化が必要である。
こうした考え方のもと、今回の人間の安全保障委員会最終報告書の採択により、わが国としては、従来よりわが国外交の重要な視点としている人間と安全保障を報告書に沿って再度位置づけるとともに、ODA(政府開発援助)における取り組みを強化していく考えである。
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国際社会協力部 国連行政課 |
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