ギニアの「コナクリ市小学校建設計画(1/2期)」他1件に対する無償資金協力について
平成14年12月13日
- わが国政府は、ギニア共和国政府に対し、「コナクリ市小学校建設計画(1/2期)」および「コナクリ市ケニアン魚市場建設計画」の実施に資することを目的として、総額13億2,600万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、12月13日(金)ギニアの首都コナクリにおいて、わが方小松久也在ギニア大使と先方モーリー・カバ協力庁長官(MORY KABA, Secretaire d'Etat la Cooperation)との間で行われた。
(1) |
「コナクリ市小学校建設計画(1/2)」
(Le projet de construction des coles primaires dans la ville de Conakry) |
供与限度額:5億1,600万円 |
(2) |
「コナクリ市ケニアン魚市場建設計画」
(Le projet de construction d'un march de poissons de K nien Conakry) |
供与限度額:8億1,000万円 |
- (1)「コナクリ市小学校建設計画(1/2)」
ギニアでは1996年に中期国家開発計画である「ギニアビジョン2010」が策定され、教育セクターにおいて、就学率の継続的向上、識字教育の拡充、教育と授業の質的改善およびより公正な教育機会の拡大を具体的な目標として挙げている。また同計画では、2012年までに初等教育総就学率を100%とすることを目指しており、そのための行動計画として、ギニア国政府は「万人のための教育計画(2001年から2013年)」を策定し、計画前期では初等教育施設へのアクセスを改善するために全国で4,700教室の新設、800教室の建て替えを行うことを目標といる。しかしながら同国では、高い人口増加率による急激な就学率の上昇のために学校施設整備が就学ニーズに追いつかない状況にあり、コナクリ市においては特に学校施設の不足が深刻化している。
このような状況の下、ギニア政府は「コナクリ市小学校建設計画」を策定し、教室不足が著しい都市部を対象として小学校25校276教室の整備、便所の設置、給排水衛生設備の整備、家具および関連機材の供与、維持管理に係る技術指導の実施に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
わが国は、人づくりの重要性を強く認識しており、本年6月のカナナスキス・サミットに先立ち小泉純一郎総理大臣より向こう5年間で低所得国向け教育分野へのODA(政府開発援助)を20億ドル以上行う旨表明している。この計画の実施により、コナクリ市の小学校において教室の過密状況の緩和が見込まれ、新たな児童を受け入れる環境が整備されると共に、ギニアの将来を担う子供たちの教育環境が改善されることが期待される。
なお、この計画では第1期目として、既存校11校111教室の整備ならびに関連機材の供与等を行うものである。
(2)「コナクリ市ケニアン魚市場建設計画」
ギニアでは、豊かな水産資源に恵まれ、水産物は同国国民の貴重な蛋白資源となっている。特に180万人の人口を抱えるコナクリ市においては、現在1日当たり90トンの水産物が流通しているが、水産物専用卸売市場が存在しないため、既存市場場外の路上等で水産物の卸売りが行われており、周辺地区に深刻な交通渋滞を引き起こしている。また、冷凍・生鮮魚を保管する施設がないため、卸売り過程で品質が低下し、燻製原料としての低価格での販売、または廃棄をせざるを得ない状況になっている。
このような状況の下、ギニア政府は、卸売り等流通過程における漁獲物の損失を減少させるとともに、交通渋滞を軽減させることを目的とした「コナクリ市ケニアン魚市場建設計画」を策定し、この計画の実施のために必要な資金につき、わが国政府に対しに無償資金協力を要請してきたものである。
この計画の実施により、漁獲後の水産物の損失が減少するとともに、コナクリ市を始めギニア国民に高品質の水産物が供給されることが期待される。
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