南アフリカ共和国の「ムプマランガ州小・中学校建設計画」に対する無償資金協力について
平成14年12月11日
- わが国政府は、南アフリカ共和国政府に対し、「ムプマランガ州小・中学校建設計画」(the project for Construction of Primary and Junior Secondary Schools in the Mpumalanga Province)の実施に資することを目的として、6億6,000万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、12月11日(水)、プレトリアにおいて、わが方榎泰邦南アフリカ大使と先方アズマル教育大臣(Prof. Kader Asmal, Minister of Education)との間で行われた。
- 南アフリカ共和国では、1994年に同国内の全人種参加の民主的選挙によりマンデラ政権が成立したが、長きにわたったアパルトヘイト政策の結果としてもたらされたあらゆる面での人種的格差は極めて大きく、旧ホームランドをはじめとする黒人居住地域では学校の教室不足が深刻なうえ、学校校舎の質も劣悪であり、机、椅子等の基本的な備品も十分に整備されておらず、学校教育に必要な基本的条件が満たされていない。その結果、黒人の教育水準は低い状態にとどまっており、社会的地位の向上もなかなか進んでいない状況にある。
このような状況の下、南アフリカ共和国政府は、旧ホームランドを含む貧困州であるムプマランガ州において「ムプマランガ州小・中学校建設計画」を策定し、この計画のための小・中学校の整備に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、20校232教室、理科室(中学校のみ)、教員室等の管理施設、便所が建設され、8,351人の児童の学習環境が大幅に改善する。また、計画対象地域の小中学生のほとんどを占める黒人の教育水準が向上されることで、教育分野における人種間格差の改善、および貧困の救済が期待される。
(参考)ホームランドとは、旧白人体制下におけるアパルトヘイト政策に基づく黒人自治地域のこと。1994年の南アフリカ共和国民主化時に4つの独立ホームランドと6つの自治ホームランドがあった。(総面積は南アフリカ共和国全土の13%)
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