ベトナムの「ニャチャン海洋養殖開発研究センター建設計画」に対する無償資金協力について
平成14年12月6日
- わが国政府は、ベトナム社会主義共和国政府に対し、「ニャチャン海洋養殖開発研究センター建設計画(the Project for Construction of Marine Culture Research and Development Center in Nha Trang )」の実施に資することを目的として、8億7,300万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が12月6日、ハノイにおいて、わが方服部則夫在ベトナム大使と先方ター・クアン・ゴック水産大臣(Mr. Ta Quang Ngoc, Minister of Fisheries)との間で行われた。
- ベトナムにおいて水産業は、国民のたんぱく質の供給、雇用の確保、外貨獲得等、重要な産業となっているが、同国では沿岸零細漁業が中心となっているため、近年の無秩序な漁獲によって著しく資源が枯渇している状況にあり、沿岸域の漁業開発が困難な状況にある。このため、同国の漁業は、沿岸漁業の適切な管理および沖合漁業、養殖漁業への転換を急務として、「水産養殖開発国家プログラム(1999年から2010年)」を策定し、持続的な養殖漁業の発展および未使用水域の有効活用を目標としている。
また、ベトナムでは、現在、エビ養殖が既存の海面養殖業として確立し、エビ養殖に必要な小規模の養殖施設・機材は揃っているが、今後のさらなる発展のためにエビ養殖以外の魚類等養殖技術の確立が必要になっている。しかしながら、養殖対象である海産魚類のための一定規模の研究施設が整備されていない状況にある。
このような状況の下、このプログラムの一環として、ベトナム政府は、新たな養殖対象種である魚類養殖の確立を図り、沿岸零細漁業者の養殖漁業への転換と所得向上を目的とした、「ニャチャン海洋養殖開発研究センター建設計画」を策定し、この計画の実施のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、沿岸零細漁業者に対する雇用確保が図られるとともに、ベトナム国民に対して安定的に水産物が供給されることが期待される。
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