ナイジェリアの「オヨ州地方給水衛生改善計画」に対する無償資金協力について
平成14年10月10日
- わが国政府は、ナイジェリア連邦共和国政府に対し、「オヨ州地方給水衛生改善計画」(Project for Rural Water Supply and Sanitation in Oyo State)の実施に資することを目的として、7億1,000万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が10月9日(日本時間10日)、アブジャにおいて、わが方松井啓在ナイジェリア大使と先方マグナス・クパコル大統領首席経済顧問(Dr. Magnus Kpakol, Chief Economic Adviser to the President)との間で行われた。
- ナイジェリアにおいては、1993年に軍事独裁政権が成立したことを受け、先進諸国が制裁措置として対ナイジェリア援助および投資を停止したため、社会インフラを含む公共サービス・施設は著しく荒廃した。特に地方部における給水率は、都市部の63%に対し、28%に留まるなど、地方部での給水施設の整備が遅れており、住民の多くが、非衛生的な水を利用せざるを得ない状況にある。このため、地方部においては、ギニア・ウォーム、住血吸虫、コレラ、下痢症等の水因性疾病が多発しており、特に乳幼児死亡の大半は、未熟児と水因性疾病が占めている。
このため、ナイジェリア政府は、最上位計画である「VISION2010」のもと、1999年に「国家給水衛生政策」を策定し、2011年までにすべての国民に安全な水を供給することを目指しているが、政策の実施に必要な資金が不足している状況にある。
このような状況の下、ナイジェリア政府は、ギニア・ウォームの症例が多いオヨ州を対象とした「オヨ州地方給水衛生改善計画」を策定し、井戸建設に必要な井戸掘削機および関連資機材の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し、無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、オヨ州地方部における給水受益人口が3万6,000人増加するとともに、安全な水の供給によるギニア・ウォームや下痢等の水因性疾患の予防等、オヨ州住民の衛生環境改善と健康の増進への貢献が期待される。
|