インドネシアの「マルチメディア訓練センター訓練機材整備計画」に対する無償資金協力について
平成14年9月25日
- わが国政府は、インドネシア共和国政府に対し、「マルチメディア訓練センター訓練機材整備計画」(The Project for Improvement of Training Equipment for Multi Media Training Center In the Republic of Indonesia)の実施に資することを目的として、5億9,000万円を限度とする額の無償資金協力をそれぞれ行うこととし、このための書簡の交換が、9月25日(水)、ジャカルタにおいて、わが方飯村豊在インドネシア大使と先方マカリム・ウィビソノ外務省対外経済関係総局長(Mr.Makarim Wibisono,Director General for Foreign Economic Relations, Department of Foreign Affairs)との間で行われた。
- マルチメディア訓練センターは、インドネシアにおける放送分野に従事する職員(主にテレビ公社およびラジオ公社の職員)の知識・技能の向上を目的として、わが国無償資金協力により1985年7月に設立されると共に、1990年度無償資金協力では放送用編集用機材等が整備され、これまでに2,700名を超える職員が各種訓練コースを修了している。
しかしながら、現在1985年に整備された訓練機材が耐用年数を大幅に超過しており、故障が頻発しているが、同機材の修理に必要な部品の入手が不可能なため修理ができず、各種訓練にも大きな支障をきたしている。また、現在行なっているアナログ機材による各種訓練は、同国の放送分野にて主流となっているデジタル機材に対応できず、十分な訓練が行なえない状況にあるため、マルチメディア訓練センターにおいても新たにデジタル機材による各種訓練の実施を希望しているが、予算上の制約のため新たなデジタル機材の購入が困難となっている。
このような状況の下、インドネシア政府は「マルチメディア訓練センター訓練機材整備計画」を策定し、1985年に整備した放送用訓練機材一式を現在放送分野で主流となっているデジタル機材に更新するために必要な資金につき、わが国政府に対して無償資金協力を要請してきたものである。
この計画の実施により、デジタル機材による研修が可能となり、放送理論や先進機器の取り扱いに精通した高度な専門性を有する人材が育成され、インドネシアにおけるマスメディア業界の底上げと、国民に受け入れられる番組の制作や早く正確な情報が提供されることが期待される。
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