ベトナムの「ハノイ市廃棄物管理機材整備計画」に対する無償資金協力について
平成14年9月9日
- わが国政府は、ベトナム社会主義共和国政府に対し、「ハノイ市廃棄物管理機材整備計画」(the project for Supply of Equipment for Waste Management in Hanoi City)の実施に資することを目的として、8億9,600万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、9月9日(月)、ハノイにおいて、わが方山崎隆一郎在ベトナム大使と先方ホアン・バン・ギエンハノイ市人民委員長(Mr. Hoang Van Nghien, Chairman of People's Committee of Hanoi)との間で行われた。
- ベトナムでは、ドイモイ(刷新)政策導入以降の経済振興および急速な都市化に伴い、公衆衛生、上下水道の不足等の様々な問題が顕在化している。特に首都ハノイ市の廃棄物管理に関しては、ゴミ収集車両の老朽化によるゴミ収集率の低下等、収集システムが十分に機能していないため、ゴミが路上へ放置されたり、また、湖や池、河川に不法に投棄されることによる、排水システムの閉塞、表流水、地下水の汚染を引き起こしている。これらの環境悪化は約250万人のハノイ市民の健康に損害を与えるのみならず、外国人居住者や観光客にも大きな影響を及ぼしている。
このため、ベトナム政府は、1995年にわが国に対し、廃棄物管理機材調達に関する無償資金協力を要請したが、わが国では、ハノイ市の廃棄物管理に関する計画を明確化することが必要であるとの観点から、1998年にJICA(国際協力事業団)開発調査によりハノイ市廃棄物管理マスタープラン策定に対する協力を行った。
このような状況の下、ベトナム政府は、ハノイ市廃棄物管理マスタープランに基づき、「ハノイ市廃棄物管理機材整備計画」を策定し、廃棄物管理改善に必要不可欠な機材として最も緊急性が高いゴミ収集車両、環境モニタリング機材等の調達に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、ゴミ収集車両の増加による、収集範囲の拡大、ゴミ収集効率の向上が図られ、路上等に滞留する時間が減少し、都市の生活環境の向上、感染症の抑制に資することが期待される。
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