モーリシャスの「零細漁業管理訓練施設改善計画」に対する無償資金協力について
平成14年9月6日
- わが国政府は、モーリシャス政府に対し、「零細漁業管理訓練施設改善計画」(the Project for Upgrading and Renovation of the Manegemant and Training Facilities for Artisanal Fisheries)の実施に資することを目的として、7億7,900万円(平成14年度2億3,100万円、平成15年度5億4,800万円)を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が9月6日、ポートルイスにおいて、わが方日向精義在モーリシャス大使と先方アニル・クマルシング・ガヤン外務大臣(Anil Kumarsingh GAYAN, Minister of Foreign Affairs and Regional Cooperation)との間で行われた。
- モーリシャスで行われている漁業は、サンゴ礁内を中心とする零細沿岸漁業、中規模民間資本による沖合漁業および外国漁船による大規模遠洋漁業に大別される。沿岸・沖合漁業は周りを海に囲まれた同国にとって基幹産業の一つであるとともに、国民へ動物性たんぱく質を供給する重要な役割を担っているが、サンゴ礁における水産資源は長年の漁獲により枯渇しており、一人当たりの水揚も減少し零細沿岸漁業は存続の危機に直面している。このため、モーリシャス政府は、既存のアルビヨン水産研究所において零細沿岸漁業者に対し沖合漁業に転換させるべく訓練を行っているが、施設・機材が未整備なため十分な効果が上がっていない状況にある。
このような状況の下、モーリシャス政府は、サンゴ礁内で操業を行ってきた零細漁業者に対し、漁業技術訓練を行い沖合漁業に転換させること、および、サンゴ礁内外の資源管理を徹底し、資源保護、海洋環境保全を行うことを目的とした、「零細漁業管理訓練施設改善計画」を策定し、この計画の実施のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、サンゴ礁内零細漁業者の沖合漁業の転換およびサンゴ礁内外の資源の減少防止が図られるとともに、モーリシャス国民に対して安定的に水産物が供給されることが期待される。
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