モザンビークの「ショクエ灌漑システム改修計画」他1件に対する無償資金協力について
平成14年8月21日
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わが国政府は、モザンビーク共和国政府に対し、「ショクエ灌漑システム改修計画(2/2期)」および「セクタープログラム無償資金協力」として、総額13億8,500万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、8月21日(水)、マプートにおいて、わが方野瀬芳宏在モザンビーク大使と先方フランセス・ヴィトリア・ヴェリョ・ロドリゲス外務協力副大臣(Her Excellency Ms. Frances Vitoria Velho Rodrigues, Vice Minister of Foreign Affairs and Cooperation of the Republic of Mozambique)との間で行われた。
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「ショクエ灌漑システム改修計画(2/2期)」 8億8,500万円
(Project for Rehabilitation of Chokwe Irrigation Scheme)
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「セクタープログラム無償資金協力」 5億円
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2. |
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「ショクエ灌漑システム改修計画(2/2期)」
モザンビークにおいては、既存の灌漑システムの機能低下により、灌漑可能面積は340万ヘクタールと言われているのに対し、実際に灌漑が実施されているのは3万8,000ヘクタールに満たず、耕作地においても3,600万ヘクタールのうち、約400万ヘクタールと全可耕地の約11%に留まっている状況にある。このため、貿易収支総額の約14%にあたる農作物輸入を強いられており、モザンビークにおける主要食糧の自給が急務で、食糧自給率の向上が大きな課題となっている。
このような状況の下、モザンビーク政府は、同国最大の既存灌漑システムを有するガザ州ショクエ地区において、既存の灌漑システムの機能を早期に回復するため「ショクエ灌漑システム改修計画」を策定し、この計画の実施に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
この計画の実施により、ショクエ灌漑システムの受益面積約2万6,030ヘクタールに必要な水量が確保され、受益農地において周年灌漑が可能となり、作付け率や単収が向上し、農家の収入、食糧自給率の向上が期待される。
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「セクタープログラム無償資金協力」
モザンビークは、1975年の独立後、社会主義計画経済の推進に失敗し、また、80年代に入ると反政府ゲリラとの内戦により経済活動が停滞したため、1992年の和平合意後も世界の最貧国のひとつになっている。さらに、2000年に集中豪雨およびサイクロンの襲来により大規模な洪水災害が発生し、経済は更に大きな打撃を受けており、その建て直しが喫緊の課題となっている。
また、同国は1987年より国際通貨基金(IMF)・世銀との合意の下で経済構造調整計画を導入し、広範な農業開発に重点を置く一方、財政・税制改革を行い、民間部門の活性化、経済の自由化、貧困の撲滅等を目的に経済再建計画を実施している。
今回のセクタープログラム無償資金協力は、同国の経済構造改善計画の実施を支援するものであり、モザンビーク政府が経済構造改善努力推進に必要な商品の輸入代金支払い等のために使用される。
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