モザンビークの「ザンベジア州地下水開発計画」に対する無償資金協力について
平成14年7月24日
- わが国政府は、モザンビーク共和国政府に対し、「ザンベジア州地下水開発計画」(Project for Groundwater Development for Rural Water Supply in Zambezia Province)に資することを目的として、4億2,800万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が7月24日(水)、マプートにおいて、わが方野瀬芳宏在モザンビーク大使と先方レオナルド・サントス・シマン外務協力大臣(His Excellency Dr. Leonardo Santos Simao, Minister for Foreign Affairs and Cooperation of the Republic of Mozambique)との間で行われた。
- モザンビークの中部に位置するザンベジア州地方部の給水事情は、州全体の給水率が14%と全国平均の30%と比較して極端に低く劣悪であり、同国が策定した5ヵ年計画(2000年から2004年)ではこれを30%程度まで改善することを目的として早急な整備が必要としている。特に、8郡(グルエ、アルト・モクロエ、ナマロイ、イレ、ミランジ、ジレ、モクバ、ルジェラ)の丘陵地帯では内戦時に激しい戦闘が繰り返されたことから、多くの井戸が破壊され放置されたままであるため、住民は付近の小河川、泉、ハンドホール(雨水やくみ出した水を溜めるために住民が掘った深さ1~2mの手掘りの穴)を利用しなければならない状況にある。また、モザンビーク保健省のデータベース(2002年)によると、ザンベジア州の赤痢の発生件数は約9,600件とモザンビークの中でも際立って多く、衛生状況改善の観点からも給水状況の改善が急務となっている。
このような状況の下、モザンビーク政府は、「ザンベジア州地下水開発計画」を策定し、この計画のためのザンベジア州北部8郡において148カ所の井戸建設、13カ所の既存井戸のハンドポンプ付け替えおよび井戸掘削に必要な資機材の調達に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
この計画の実施により、対象地域の住民7万4,000人に対し、安全な水が安定的に供給されることになり、住民の生活水準が向上し、水因性疾患の予防等住民の衛生環境改善に寄与することが期待される。
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