グレナダの「グレンビル水産物流通改善計画」に対する無償資金協力について
平成14年7月9日
- 日本政府は、グレナダ政府に対し、「グレンビル水産物流通改善計画(the Project for Improvement of Fish Marketing for Grenville)」の実施に資することを目的として、14億100万円(平成14年度:5億9,200万円、平成15年度:8億900万円)を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が7月8日(日本時間9日)、セントジョージズにおいて、わが方高木量在グレナダ大使と先方エルヴィン・ニムロッド外務貿易大臣(Elvin Nimrod, Minister for Foreign Affairs and International Trade)との間で行われた。
- グレナダでは、漁業が同国の主要産業として、水産物輸出による外貨収入および国民への動物性たんぱく供給を支えている。しかしながら、地域開発の不均衡、流通網の不備により、一般消費者向けの生鮮魚介類は慢性的な供給不足となっており、これを補うために同国は年間700トンにおよぶ水産物を輸入せざるを得ない状況に至っている。
今回の計画対象である東海岸のグレンビルは、若い漁業従事者も多く漁業活動が盛んであり、同国漁業生産の3割を占める最大の水揚地であるが、既存のグレンビル魚市場は小売スペースが手狭であることに加えて、市場内の諸施設が老朽化していることから漁獲物が十分に活用されていない。また、首都圏市場の連絡道路であるグランドエタン道路は、山岳地帯を通っており未だ整備が行われておらず水産物等の運搬に支障をきたしている状況にある。
このような状況の下、グレナダ政府は、グレンビル魚市場等水産施設の建設、首都圏とグレンビルを結ぶグランドエタン道路の最小限の補強および橋梁の改修を目的とした、「グレンビル水産物流通改善計画」を策定し、この計画の実施のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、グレンビルを基点とする東海岸にける水産物流通体制が整備され、漁業の振興が図られるとともに、グレナダ国民に対して安定的に水産物が供給されることが期待される。
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