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Vol.98 2013年4月9日
日・ASEAN友好協力40周年~つながる想い,つながる未来

2013年は「日・ASEAN友好協力40周年」。1月18日には東南アジア諸国連合(ASEAN)本部があるインドネシア・ジャカルタでキックオフ・レセプションが開催され,今年1年間を通して,日本とASEAN10か国で政治,経済,文化,青少年交流,観光など幅広い分野に及ぶ様々な交流事業や会合が開催されます。そこで今回は40周年記念のイベントや事業・会合について触れながら,日・ASEAN関係の現在と展望を解説します。

「日・ASEAN友好協力40周年」スタート!

「日・ASEAN友好協力40周年」のロゴマークとキャッチフレーズ ASEANと日本の交流は,1973年のASEAN合成ゴムフォーラムに始まり,今年2013年はその交流開始から40周年に当たります。「日・ASEAN友好協力40周年」は,2012年の日・ASEAN外相会議において実施が合意されました。過去には交流開始30周年に当たる2003年に「日・ASEAN交流年」,また,2009年にはASEAN諸国のうち,カンボジアタイベトナムミャンマーラオスというメコン川流域の5か国との「日メコン交流年」が実施された実績があります。今回の「日・ASEAN友好協力40周年」に際しては,ロゴマーク・キャッチフレーズが一般公募され,日本とASEAN諸国から多数の応募がありました。2012年11月にインドネシア・ジャカルタで開催された日本とASEAN諸国の常駐代表による協議と審査の結果,ロゴマークはカンボジア在住のYOU Ratanaksamrithさん,キャッチフレーズは新潟県の佐藤義治さんの案が採用されました。

 

日本とASEANの40年を展望

この40年間,日本とASEANはアジア地域の平和と安定,発展と繁栄のための緊密な協力関係を築いてきました。1977年からは,幅広いテーマについて意見交換を行う「日・ASEANフォーラム」がスタートし,以来,日本はASEANにとって最も重要な対話国の一つであり続けてきました。また,民間企業にとってASEANは常に主要な投資先であり,ビジネスパートナーとしてのASEANの存在は日本経済と私たちの生活に深く関与しています。さらに日本はASEAN地域フォーラム(ARF)東アジア首脳会議(EAS)などでも積極的にASEAN諸国と協力しています。

ASEAN10か国の人口と経済規模

東日本大震災を契機にさらに深まった日・ASEANの絆

来日したASEAN事務総長と青年親善キャラバン隊
写真提供:Fransiska Ken Aminto Isti 日本とASEAN諸国は地震や台風など自然災害による大きな被害を受けやすいという共通点があります。2004年にインドネシア・アチェ州に甚大な地震・津波被害をもたらしたスマトラ沖地震や2008年にミャンマーなどに大きな被害をもたらしたサイクロン「ナルギス」などの災害に際して,日本はASEAN友好国に先んじて被災国に救助人員や救援物資を送りました。そしてASEAN諸国は,2011年3月の東日本大震災直後より日本に支援の手を差し伸べています。震災から1か月経った4月には,ジャカルタのASEAN事務局で日本の外務大臣を招いたASEAN特別外相会議を開催。 6月にはASEAN事務総長が自らボランティアチーム「ASEAN青年親善キャラバン隊」を率いて来日し,宮城県石巻市でがれきの撤去などの活動を行いました。震災後には東日本大震災からの復興のため,青少年交流を通じて,日本再生に関する外国の理解を増進することを目的として「キズナ強化プロジェクト」も立ち上げられました。さらにASEAN防災人道支援調整センター(AHAセンター)設立のために資金援助や防災専門家等を派遣するとともに,ASEAN緊急災害ロジスティックシステムの開発支援など,震災後には日・ASEANの災害管理を通じた協力関係がよりいっそう強化されています。

 

「対ASEAN外交5原則」?対等なパートナーとして

ジャカルタのハリム空港に到着した安倍総理 
写真提供:内閣広報室 2013年1月,安倍総理は就任後初めての外国訪問先に東南アジア3か国(ベトナム,タイ,インドネシア)を選びました。1月18日のインドネシアとの首脳会談後,以下の「対ASEAN外交5原則」を発表し,「対等なパートナー」としてASEANと共に歩んでいくことを明確に打ち出しています。


【対ASEAN外交5原則】
  • (1)自由,民主主義,基本的人権等の普遍的価値の定着及び拡大に向けて,ASEAN諸国と共に努力していく。
  • (2)「力」でなく「法」が支配する,自由で開かれた海洋は「公共財」であり,これをASEAN諸国と共に全力で守る。米国のアジア重視を歓迎する。
  • (3)様々な経済連携のネットワークを通じて,モノ,カネ,ヒト,サービスなど貿易及び投資の流れを一層進め,日本経済の再生につなげ,ASEAN諸国と共に繁栄する。
  • (4)アジアの多様な文化,伝統を共に守り,育てていく。
  • (5)未来を担う若い世代の交流を更に活発に行い,相互理解を促進する。

日・ASEAN友好協力40周年「キックオフ・レセプション」の開催

インドネシア大学コーラス部による「Tomorrow~Love Song~」の合唱?
展示会「TOHOKU Experience」

「対ASEAN外交5原則」が発表された1月18日,ジャカルタでは「日・ASEAN友好協力40周年キックオフ・レセプション」が開催されました。折しも勃発したアルジェリアにおける邦人に対するテロ事件への対応のため,レセプションでのスピーチを行う予定だった安倍総理は急遽帰国となりましたが,石兼ASEAN大使が日・ASEAN関係強化を訴える総理メッセージを代読。ASEANからは10カ国の常駐代表をはじめ370名以上が出席しました。レセプションでは震災復興支援に対するASEAN諸国への謝意も含めて,「日本ブランド総合発信事業」としてイベントと展示を実施。福島県立安積黎明高校合唱団およびインドネシア大学コーラス部による東北の想いを未来へつなぐ歌の合唱や,ネット中継によって東北地方に縁があるASEAN各国の元留学生たちの体験談などが披露されました。また,1月12日~27日にかけては,ジャカルタ市内のショッピングセンターで「TOHOKU Experience」と題した展示会を開催。期間中はのべ8,880人もの来場者がありました。

 

日・ASEAN友好協力40周年を盛り上げていくために

インターネット上では日・ASEAN交流および東北の魅力をPRするためのFacebookページ「Tohoku Experience:日・ASEAN友好協力40周年」も開設しました。また,キックオフ・レセプションで披露された楽曲「Tomorrow~Love Song~(日本語版)」については,メイキング映像と復興支援映像によるプロモーションビデオが制作され,You Tubeの外務省チャンネルで公開しています。この曲の日本語歌詞は,キックオフ・レセプションに参加した福島県立安積黎明高等学校合唱団によるものです。2013年を通して,文化・スポーツ,人的交流,ビジネス,政治など,様々な分野において記念事業が予定されています。

主な40周年関連イベント紹介

日本とASEANの関係が,新たなステージへ

ASEAN青少年訪問団第1弾の表敬を受ける安倍総理 写真提供:日本国際協力センター
ASEAN青少年訪問団第1弾からプレゼントの贈呈を受ける安倍総理 写真提供:日本国際協力センター

これからの日・ASEAN友好関係のために大切なことの一つは,未来を担う日本とASEANの若い世代が交流し,一体感を高めていくことです。2007年当時の安倍総理は,ASEANを含むアジア諸国との間で「21世紀東アジア青少年大交流計画(JENESYS)」を実施し,このプログラムによってASEANからは約13,480人もの若者が来日しました。安倍総理は1月の東南アジア歴訪時に, 3万人規模の交流「JENESYS2.0」の実施を発表し,さらに大きな規模で若い世代の心と心のふれ合いを推進していきます。4月1日には,ASEAN青少年訪問団第1陣が総理官邸に安倍総理を表敬訪問しました。この他,日・ASEAN間では,「ASEAN連結性」「貿易・投資」「防災・災害管理」などについて協力を一層深化・強化していきます。交流40年を経て,政治,経済,文化,人的交流など様々な側面で,日本とASEANの関係が,今,新たなステージへと進展していきます。

 

2013年の日・ASEAN外交
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