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Vol.139 2016年2月1日
ベルギーという国 - 日本・ベルギー友好150周年

2016年は,日本・ベルギー修好通商航海条約が締結されてから150年目にあたる節目の年です。この150周年を祝い,両国では1年を通して様々なイベントが実施される予定です。今回は,ベルギーという国を改めて紹介するとともに,日本とベルギーの友好関係について解説します。

ベルギーとは

ベルギー王国ベルギー王国は,欧州の北西部に位置する立憲王国です。ドイツオランダフランスルクセンブルクに囲まれており,オランダ,ルクセンブルクと合わせて「ベネルクス」と呼ばれています。ベルギーの人口は東京都の8割強にあたる約1,128万人,面積は九州より少し小さい約3万平方キロメートルです。首都ブリュッセルは「欧州の首都」と称される,地理的,政治的,経済的な欧州の中心地です。EUNATOの本部が置かれており,各国の企業が数多く進出しています。また3つの地域からなる連邦国家であり,北部(フランデレン)はオランダ語,南部(ワロン)はフランス語,一部でドイツ語が使われている他,英語も広く通用しています。ベルギー王室は国民の間で人気が高く,現在のフィリップ国王はパイロット資格を保持するなど,その親しみやすさから多くの国民に支持されています。

 

ベルギーを代表する2つの都市―ブリュッセル,ブルージュ

ベルギー人は,芸術や音楽を愛する国民性でも知られています。ブリュッセルには王立美術館をはじめ,数多くの美術館,博物館がある他,この地で開催される「エリザベート国際音楽コンクール」は世界3大音楽コンクールのひとつに数えられています。また,運河の街として知られるブリュージュは「北方のヴェニス」とも呼ばれており,中世にタイムスリップしたかのような美しい町並みが残されています。この「ブルージュ歴史地区」は世界遺産にも登録されており,多くの観光客が訪れるベルギーを代表する名所になっています。

ブリュッセルの中心部にあるベルギー王宮(左)とベルギー北部の観光都市「ブルージュ」(右)
 

美食の国・ベルギー

ベルギーは言わずと知れた美食の国でもあります。特にベルギー産のビールやチョコレートは有名で,ビールは800種類以上,チョコレートも世界中のファンに愛されている高級ブランドが数多くあります。ベルギーの郷土料理としては,「ムール・フリット」という,ムール貝とフライドポテトを組み合わせた料理が知られており,ベルギー東部の都市・リエージュ発祥と言われる「ワッフル」も日本でも広く知られています。

ベルギーの代表料理「ムール・フリット」(左)と「ワッフル」(右)。
 

スポーツと漫画の人気

合気道レクチャー(2015年9月)ベルギーは,スポーツの盛んな国でもあります。特にサッカーは非常に人気があり,ベルギーリーグには,これまで日本のサッカー選手が幾人も所属しています。またベルギーは柔道や剣道,合気道,空手などの日本の武道の愛好家が多いことでも知られており,国際大会で活躍する選手を多く輩出しています。またベルギーは,「タンタン」をはじめ,「スマーフ」や「ラッキー・ルーク」など多くの漫画作品を生み出しており,漫画はアートのひとつとして確固たる地位を築いています。そのため日本の漫画も現地で人気を博しており,若者層を中心に,日本のポップカルチャーへの関心が高まっています。

 

ベルギーの経済と外交

近年のベルギーは,医薬や石油化学,宇宙・航空,ナノテクノロジーなど,世界最先端の科学技術産業を擁する貿易立国として頭角を現しています。政治的には,国連を中心とした多国間外交を重視,特に国連平和維持活動や人権問題,軍縮・不拡散,気候変動問題等の分野に,積極的に関与しています。また,フランス語圏のアフリカの大国・コンゴ民主共和国の旧宗主国であるベルギーは,中部アフリカ諸国への外交を積極的に展開しており,隣接するルワンダブルンジにも重大な関心を示すなど,同地域の安定を実現する上で重要なプレイヤーになっています。

 

日本とベルギーの交流史

日本とベルギーの交流は,古くは16世紀にさかのぼります。ベルギー人のイエズス会宣教師・テオドロ・マンテルスが1588年に長崎に上陸し,4年近くにわたって平戸にて宣教活動に従事したと言われています。その後1865年12月,ベルギーの外交官・トキント・デ・ローデンベークが初めて来日。翌1866年には,両国間の最初の条約である日本・ベルギー修好通商航海条約が締結されました。19世紀後半には,日本はベルギーに視察団を派遣。またこの時期は,ベルギーをはじめとするヨーロッパでは日本的なものが一大ブームとなり,「アール・ヌーヴォー」と呼ばれる芸術運動に大きな影響を与えました。第2次世界大戦後,両国の交流は再び活性化し,1962年には日本の自動車メーカーが初の海外生産工場をベルギーに開設。現在では約300社の日本企業が進出しており,ベルギーへ投資する国の中で,日本はEUを除き,米国に次いで2番目に位置しています。

 

緊密な要人往来と皇室・王室交流

日本とベルギーは,政治要人や経済使節団による両国間の往来が盛んに行われています。2014年には安倍総理がベルギーを訪問,翌2015年にはミシェル首相が訪日し,日・ベルギー首脳会談を実施するなど,両国間の関係は強化されてきました。この両国間の交流の礎を築いてきたのが,日本の皇室とベルギーの王室の特別な友好関係です。1993年に天皇皇后両陛下が国賓としてベルギーを御訪問,1999年には皇太子同妃両殿下が,当時皇太子殿下であられたフィリップ国王陛下の結婚式に参列されるためベルギーを御訪問されました。2012年には,フィリップ皇太子同妃両殿下(当時)が約300名の経済ミッションを率いて訪日されるなど,両国の絆はさらに深まっています。

安倍総理大臣のベルギー王国フィリップ国王陛下謁見の様子(2014年5月)(左)と,日・ベルギー首脳会談の様子(2016年5月)(右)
 

「日本・ベルギー友好150周年」を迎えて

「日本・ベルギー友好150周年」ロゴマーク2016年は,日本・ベルギー修好通商航海条約が締結され,外交関係が樹立してから150年を迎えます。両国はお互いの関係をさらに深化させるため,本年を「日本・ベルギー友好150周年」としました。天皇陛下とフィリップ国王陛下が双方の名誉総裁に御就任されました。1月19日にはブリュッセルにて開会式典が開催され,今後1年間を通して,両国間では様々なイベントが行われる予定です。さらに,本年ベルギーで開催される「ブリュッセル・フラワーカーペ ット」や「ゲント・フロラリア」のテーマ国はいずれも 日本であり,この1年はベルギーにおいて,日本に大きくスポットライトがあたることになりそうです。また,2015年10月には念願の東京・ブリュッセル間の直行便が開始され,ますます人の往来も活発化されることが期待されています。「日本・ベルギー友好150周年」を契機として,両国はさらに友情を深め,活発な交流へとつながっていくことでしょう。

ブリュッセルでの開会式典・レセプションの様子(2016年1月19日)
 
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