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Vol.108 2014年1月9日
「V4+日本」協力~21世紀に向けた共通の価値に基づくパートナーシップ

2013年6月,ワルシャワにて「V4+日本」首脳会合が開催され,日本とヴィシェグラード4カ国(V4)各国の首脳が初めて一堂に会する機会となりました。「V4+日本」対話・協力の枠組みは2013年に10周年を迎え,2014年は「V4+日本」交流年として,様々な交流事業が実施されます。今回は,V4という中欧の地域協力枠組と,「V4+日本」の今後の協力関係について解説します。

ヴィシェグラード4カ国(V4)とは

ヴィシェグラード4カ国(V4)1991年2月,ハンガリー北部のヴィシェグラード(Visegrád)にて,チェコスロバキア(当時),ポーランド,ハンガリーの大統領が集まり,3カ国の友好と協力を進めるための首脳会合が行われました。1993年1月のチェコとスロバキアの分離によって,4カ国の枠組みとなりましたが,以来,年1回の公式首脳会合のほか,議長国(任期1年で持ち回り)が策定する行動計画の下,各種会合が開催されています。これが,ヴィシェグラード4カ国(V4)の成り立ちです。グループ名にもなっている都市「ヴィシェグラード」は,ドナウ川が東行から南行に向きを変える交通の要衝として人気のある,ハンガリーの有名な景観地の一つです。1335年,時のハンガリー,チェコ,ポーランド国王がこの地で会議を行ったことにちなんで,首脳会合の開催地に選ばれました。

 

V4の国々(その1)~チェコ,スロバキア

V4諸国は,歴史的・文化的遺産に恵まれた国々です。日本人にとっても人気の観光地として親しまれており,また,多くの日系企業が進出しています。芸術の国として名高いチェコは,ドヴォルザークやヤナーチェク,カフカ,ミュシャなど,多くの音楽家・芸術家・文学者を輩出した国として有名です。国民一人当たりのビール消費量は世界一であり,世界的な言葉である「ロボット」「ピストル」「ドル」などは,チェコ語を語源とすると言われています。1993年にチェコと平和裡に分離独立したスロバキアは,EUの中で一番若い国であり,人口一人当たりの自動車生産台数が世界一となったことから「東欧のデトロイト」と呼ばれるほど,自動車産業が発達しています。また,古くからワイン生産地としても知られています。

チェコ・プラハのモルダウ川 スロバキア・ブラチスラバの町並み
 

V4の国々(その2)~ポーランド,ハンガリー

ポーランドは,人口・経済規模ともに4カ国最大の「中・東欧の雄」であり,13もの世界遺産など,豊かな観光資源を有する国です。ショパンに代表される作曲家,映画界の巨匠アンジェイ・ワイダ監督など,音楽・芸術の分野で活躍する著名人や,コペルニクスやキュリー夫人など,歴史上の人物を多く輩出しています。2013年7月からV4議長国となったハンガリーは,日本に対して強い親日意識と高い関心を持っていると言われています。リストやバルトーク,コダーイ等の著名な作曲家を生み出した他,自然科学系ノーベル賞受賞者数が人口比で世界一であり,ボールペンやルービックキューブ等を生み出した優れた発明家を輩出しています。また,ハンガリーは世界有数の温泉大国であり,フォアグラやトカイワイン(世界三大貴腐ワイン)等,高級食材の産地としても有名です。

ポーランド・ワジェンキ公園のショパン像 ハンガリー・ドナウ川とブダ王宮
V4各国の基礎データ
 

EUへの加盟

1989年以降,共和制への転換を果たしたV4諸国は,欧州連合(EU)への加盟を目指し,相互に協力関係を深めてきました。そして,2004年5月,念願の4カ国全てがEU加盟を達成し,以降,EU内でV4諸国の利害が一致する分野で共通の立場を形成しています。近年では,V4各国が拠出する国際ヴィシェグラード基金を活用して,V4域内外の文化,教育プロジェクト等を実施するなど,その活動はますます活発化しています。

 

日本とV4が歩んだ10年間

日本とV4の協力関係が始まったのは,今から10年前にさかのぼります。小泉総理(当時)が2003年8月にチェコ及びポーランドを訪問,翌2004年10月ハンガリー首相訪日時に,日本とV4との間で「V4+日本」対話・協力を推進していくことに合意しました。以来,「V4+日本」の枠組みでは,外相会合5回,政策対話を6回実施。経済・投資促進,開発協力,気候変動,省エネルギー東方パートナーシップ等,様々なテーマのセミナーを計12回実施しています。

 

「V4+日本」首脳会合

「V4+日本」首脳会合(写真提供:内閣広報室)2013年6月,「V4+日本」協力がスタートして初となる「V4+日本」首脳会合が,ワルシャワで行われました。V4にとっては,「V4+域外国」首脳会合としてアジアの国と行うのは初めてのことです。この会合で,普遍的価値を共有し,平等なパートナーとして一連の国際問題に共に取り組むV4と日本が,「21世紀に向けた共通の価値に基づくパートナーシップ」と称される新しい次元の協力関係に達したことや,東欧や西バルカンにおいて民主主義に基づくより良い統治, 安定,さらには経済統合を進めていくこと等に向けて連携して支援していくことなどが改めて確認されました。そして,東方パートナーシップの重要性を認識するとともに,安全保障分野で協力,経済関係の拡大などをさらに進めていくことで見解が一致しました。また2014年を「V4+日本」交流年とすることなどが決まりました。

 

「V4+日本」外相会合

交流年公式ロゴマークこの「V4+日本」首脳会合の合意を受けて,2013年11月11日,インドのデリーにおいて,第5回「V4+日本」外相会合が行われました。ここでは「V4+日本」協力の具体的な施策について提示されました。首脳会合で合意された具体的な施策を順次実現するものとして,東方パートナーシップ及び西バルカンで,日本とV4で共同の経済協力プロジェクトを実施することなどを確認しました。また2014年「V4+日本」交流年を盛り上げていくために,岸田外務大臣をはじめとする各国外相により,交流年公式ロゴマークが発表されました。このロゴマークは,日本国内及びV4各国から寄せられた114件の応募作品の中から選ばれたものです。デザインは,「V4+日本」の「プラス」の部分を日V4の友好関係を示す「友」で表すとともに,各国首都が点で表現されています。

「V4+日本」外相会合
 

「V4+日本」交流年に向けて

この外相会合の席で,岸田大臣とV4各国外相は,2014年の「V4+日本」交流年を,各国が任命する交流年親善大使の協力を得つつ,実りある交流年にするとの意志を確認しました。日本の親善大使には,V4諸国がショパンを始めとするクラシック音楽で多くの方々を魅了して止まないという点に着目し,女優でピアニストでもある松下奈緒さんに対し,岸田大臣は2014年1月1日から12月31日までの1年間,「V4+日本」交流年親善大使を委嘱しました。「V4+日本」交流年期間中は,松下奈緒さんをはじめとする各国親善大使の協力を得ながら,様々な記念事業が行われる予定です。

「V4+日本」交流年のイベント・カレンダー(PDF)

「V4+日本」交流年親善大使の委任状交付式
 
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