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演説
川口外務大臣演説

川口外務大臣より外務省職員への訓示

平成14年2月5日

 川口でございます。
 突然にこういうお話を頂いたものですから、私自身まだ戸惑っていることがないわけではないんですけれども、金曜日の夜にお話を頂いて以来、頭の中は割に早く切り替わっていまして、今どうやったら外務省に期待されていることをできるか、私が外務大臣として仕事ができるかということについて、それ以来ほぼ常に考えてきています。
 私としては、外務省がいい外交ができるように、それは日本のためにも世界のためにも重要ですから、そのためにいい外務省になる、ということをやるために極力自分の持っている力を出させて頂きたいと思っています。それがまた国民が今外務省に期待しているということでもあります。
 国民の外務省に対する信頼感の低下というのは、恐らく皆さんも感じていらっしゃると思いますけれども、皆さんが感じていらっしゃる以上、数倍あると思ってスタートをすべきであると思います。それが今の状況であって、そこから如何に早く信頼される外務省になるかということが大きな課題だと是非思って頂きたいと思います。
 私は、外務省で仕事をするに当たって、まず大事なのは改革であり、それから当然ながら抱えている様々な外交課題に取り組んでいくということが二つの大きな課題だと思っておりますが、プライオリティーを付けますと、課題としては、まず初めに改革、それから改革ということで考える必要があると思っています。
 幾つかのことを申し上げたいと思います。
 私は、本当に今まで2日半位のところなんですけれども――2日半もないかもしれませんね、2日半ないですね、金曜日の夕方からですから――できるだけ外務省の改革の方向について様々な方から御意見を伺いたいと思って、国会やロシアの外務大臣との会談の合い間を縫って、電話や或いはお目にかかって意見を伺うことを始めました。これはこれからもやり続けるつもりです。
 その一環として、是非皆さんの意見も聞きたいと思っています。局長以上の方には、とりあえずできるだけ早い時期に時間を見つけて、一人一人お目にかかってお話を伺いたいと思っています。
 それから、本当は全員にそういうことができるといいんですけれども、時間的に余裕がなく、当面国会もありまして非常に厳しいものですから、本省の課長補佐以上の人に紙一枚、これ以上長くなるとちょっと読み切れませんので、紙一枚に自分の考える外務省の改革のイメージ、これを改革すべきである、そのためにこういうことをすべきであるということを書いて、記名で私に出して頂きたいと思います。その紙の中身については、また秘書官室から御連絡をさせますけれども、単に改革すべきであるという抽象論ではなくて、何をやるべきか、具体的にどういう手法でやるべきかということについて、皆さんの考えていらっしゃることとお知恵を頂きたいと思います。それから、課長補佐よりも下の方については、これは皆さんからお伝え頂いて、出したい方は歓迎をするということをお伝え頂きたいと思います。それが一つです。
 それからもう一つ、これもここにいらっしゃる皆さん、及び皆さんの下にいらっしゃる方にお伝え頂きたいのですけれども、外から私が外務省を見て思ったことの一つに、やはりお金についての問題があると思っています。様々なことが今まで不祥事として出てきたわけですけれども、もしまだ何か皆さんが個人個人で関係していらっしゃることで何かあれば、今のうちに私まで言ってきてほしいと思います。その後、もしそういうことが出るということがありましたら、これは大変にお気の毒ですけれども、非常に厳しく判断をさせて頂いて対応させて頂くことになると思います。これから、実際に仕事をしていく段階でいろいろなことがあるわけですけれども、特にお金に関しては厳しく自分自身を律して頂くということがまず大事であると思います。きちんと律していれば、そういう問題はその後起きないわけでして、律し切れないということがまたその後起こった場合には、それも然るべく対応させて頂かざるを得ないということを申し上げておきます。
 今日記者会見で私は新聞記者の方にも申し上げ、また、その前に総理にもお話しをして御了解を頂きましたけれども、約1週間ぐらいで改革についての骨太の、場合によっては超骨太の方針を出したいと考えています。それに基づいて何をやるべきか、何をどうやるべきかということについて議論を、これは外部の方の意見を入れて当然皆さんの意見も伺って話をしたい、決めていきたい。それをいつまでに発表するということも言いたいと思いますし、そこで発表したことについては、タイムスケジュール付きのアクション・プログラムを入れてやっていくということが大事だと思っています。それから、やったことについては、レビューのプロセスも中に組み入れてそれを定期的にこれは外部の方も入れてやっていくということだろうと思います。
 私はキーワードが三つあると思っています。透明性、スピード、実効性ということを先ほど来言っていますけれども、そういうことで進めたいと思います。
 それから、そういうことを何のためにやるかというと、それは外務省が国民に信頼され、その後いい外交ができるためにやるわけでして、外交の課題というのは様々ありますし、私もこれから勉強しなければいけないことが多いんですけれども、それは皆さんにいろいろ今までの経緯或いは考え方を教えて頂いてやりたいと思いますし、その後でいい日本外交が、世界の中で立派だと言われる日本外交を今まで以上に皆さんと一緒に、今までというのはそのアフガンの外交ですとか様々非常に外務省はいい外交の歴史を過去において持っていらっしゃるし、現にそれをやっていらっしゃるわけですから、それを更により良くして日本のため、国際社会のためになるようないい外交ができることのお手伝いも、或いはリーダーシップもとらせて頂きたいと思っております。
 私は外務省に来て一番最初にお話を伺って思ったのは、大変に用語が難しく、また今までの抽象的な言葉の使い方がいろいろあって、これを国会で話をしてみても、或いはこれを一般の方にわかるように言う努力をしてみても、とてもこれじゃわかるわけがないということです。外交演説にもそういうふうに書いてありますけれども、国民に理解されない外交というのは国民に支持されない外交であって、やはり外務省は国民の皆さんに理解されるような言葉を使って外交を説明をしていかなければいけないと思います。
 私、就任の時の記者会見に、タウンミーティングその他いろいろ申し上げまして、その一部が既に後で聞きましたら多少手もつけて頂いているというふうに聞きましたけれども、それを一層今までよりも頻繁にやっていくということも必要だと思います。国民の目線で国民と一緒に考える外務省、お客様志向、顧客満足というふうに言いましたけれども、それが物事全ての考え方の基本にあるべきだというふうに思っています。
 私は、自分の体力の許す限り、或いは能力の許す限り、今申し上げたようなことを皆さんと一緒にやっていくことをしたいと思っておりますので、是非よろしく、仲良く楽しく仕事をしていきたいと思います。
 どうも有り難うございました。


川口外務大臣演説 / 平成14年 / 目次


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