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演説
小泉総理大臣演説

東アジア開発イニシアティブ閣僚会合
小泉総理大臣メッセージ

平成14年8月12日
於:帝国ホテル富士の間

(英語版はこちら)

 御列席の皆様
 東アジア開発イニシアティブ(IDEA)閣僚会合の開会に際し、歓迎の御挨拶を申し上げます。

 本年1月の東南アジア諸国訪問の際、私は、未来のための協力として「5つの構想」を提案しました。そのうちの一つが、この東アジア開発イニシアティブ(IDEA)閣僚会合の開催です。今回、ASEAN諸国のみならず中国及び韓国の関係閣僚の御参加を得て、こうしてこの会合が実現したことは、私としても特に深い感慨を覚えるものであります。

 昨年11月のブルネイにおけるASEAN+3首脳会議出席、本年1月の東南アジア諸国訪問などを通じて、私は、ASEAN諸国や中国、韓国が東アジア協力を推進するための重要なパートナーであることについて認識を新たにしてきました。同時に、各国が様々な試練を乗り越えるべく、改革と経済成長の歩みを進めていることを肌で感じ、心強く思いました。
 しかし、東アジア諸国は共通の課題も抱えています。グローバル化が進む国際経済に対応するための構造改革、テロや海賊など「国境を越える問題」への対処など、様々な課題を乗り越え、地域の安定と平和を確保し、より一層の繁栄を目指すために、私たちは、東アジア諸国が力を合わせていくべきだと考えます。今回のIDEA閣僚会合が、拡大・深化しつつある東アジアの地域協力の文脈において、開発分野において「共に歩み共に進む」との精神を具体化するようなものとなることを期待します。

 今回の会合は、援助を受ける側と援助を与える側という立場を越えて、地域の国々が同じ目線で、開発問題を議論するという初めての試みです。目覚しい発展を遂げてきた東アジア諸国の開発経験や知見を結集し、地域協力のあり方を考えることは非常に有益であると考えます。
 東アジアの開発を考える時忘れることができないのは、貿易、投資と並んで、特にODAの果たしてきた役割です。東アジアの開発において、ODAは、インフラ整備のような経済成長の基盤整備、教育分野をはじめとする「人間中心の開発」の実現に大きな役割を果たしてきました。我が国は、これまでASEAN諸国を始めとする東アジア地域を重点地域と位置付け、積極的にODAを供与してきました。その結果、東アジアの安定と繁栄に相当程度貢献できたのではないかと自負しています。現在、我が国は厳しい財政状況に直面しておりますが、東アジアの安定と繁栄が、我が国にとって極めて重要であるとの事実には変わりはなく、我が国は今後ともODAの効率化・重点化に努めつつ、引き続き東アジアに対する協力を積極的に実施していく考えです。

 本年は、開発に関する一連の国際会議が開催され、国際社会において開発問題の重要性に対する認識が高まっています。こうした中で、今月末からヨハネスブルグで開催される「持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)」において、東アジアの開発知見を発信し、東アジアの存在感を世界に向けてアピールするとともに、開発という同じ課題に取り組む他の地域と知見を共有したいと考えます。

 私は、今世紀においても、東アジアが多様で最も活気に満ちた地域の一つであることを確信しています。これは、経済成長率などの単なる数字のみで言い尽くされるものではありません。誰もが安寧の中で、夢をもって自分の能力を生かし未来を切り拓くことができる社会をつくり、東アジアに暮らす人々一人ひとりの幸福を実現することこそが、我々の目指すべきアジアの未来の姿だと信じています。このような未来の実現に向けて、本日の会合が実り多きものとなるよう期待しております。


小泉総理大臣演説 / 平成14年 / 目次


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