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演説

河野外務大臣演説

「杉原千畝氏 顕彰プレート除幕式」における河野大臣挨拶


平成12年10月10日
(於:外交史料館)


 本日御列席をいただきました杉原幸子(ゆきこ)令夫人、そして杉原家の皆様、今日の日を迎えるに当たって大変御尽力いただきました鈴木宗男議員、岐阜県及び八百津町の方々、それからリトアニア及びイスラエルの在京臨時代理大使、杉原千畝生誕100年記念事業委員会の皆様方、その他御列席の方々、皆様をお招きして本日ここに故杉原千畝氏の偉業を称える顕彰プレートの除幕式を開催できたことは、私にとりまして、大きな喜びでございます。

 特に、故杉原氏と一緒に言葉には言い表せない御苦労をされました幸子夫人に御臨席を頂けたことは、本当に嬉しいことでございます。望むらくは、故杉原氏が御存命中にこのような式典ができておれば更に良かったと、こんなふうに思っています。これまでに外務省と故杉原氏の御家族の皆様との間で、色々御無礼があったこと、御名誉にかかわる意思の疎通が欠けていた点を、外務大臣として、この機会に心からお詫び申しあげたいと存じます。

 「勇気ある人道的行為を行った外交官」として知られる故杉原氏は、申し上げるまでもなく、在カウナス領事館に副領事として勤務されている間、ナチスによる迫害を逃れてきたユダヤ系避難民に対して日本通過のための査証を発給することで、多くのユダヤ系避難民の命を救い、現在に至るまで、国境、民族を越えて広く尊敬を集めておられます。

 日本外交に携わる責任者として、外交政策の決定においては、いかなる場合も、人道的な考慮は最も基本的な、また最も重要なことであると常々私は感じております。故杉原氏は今から六十年前に、ナチスによるユダヤ人迫害という極限的な局面において人道的かつ勇気のある判断をされることで、人道的考慮の大切さを示されました。私は、このような素晴らしい先輩を持つことができたことを誇りに思う次第です。

 本年は故杉原氏の生誕100周年に当たりますが、杉原氏が御活躍されたリトアニアと我が国との間の新たな外交関係が9年前に始まった今日、すなわち10月10日という機会に、外務省としても、同氏の業績を改めて称え、日本外交の足跡として後世に伝えるために、顕彰のプレートを設置することとなりました。このプレートは、8月4日、衆議院外務委員会におきまして、鈴木委員から、顕彰のために何か残るものを考えるべきだという御指摘がございました。外務省といたしまして、色々と考え、相談した結果、ここにプレートを置かせてもらうことが最も適当であろうと考えた次第でございます。このプレートを見る度に、故杉原氏のとられた人道的かつ勇気のある判断と行動について、当省職員が常にこれを心に留めて職務に努めるとともに、外交史料館に閲覧にいらっしゃる方々にも、杉原氏の人となりと業績に思いを馳せていただければと考えた次第でございます。

 また、故杉原氏の偉業を記念して、何か国際社会における相互理解に役立つ事業をできないかという御提言がございました。これにつきまして検討した結果、国際交流基金事業として、イスラエルからの有識者招聘が2001年度から実施されることとなり、同氏にちなんで「杉原千畝フェローシップ」と名付けられることとなっております。この実現に多大な御尽力をされた鈴木議員から改めて御説明があると存じますから、私からは一言の御紹介にとどめさせていただきます。

 最後に故杉原氏の御冥福をお祈り申し上げ、御家族の皆様の御健康を願って、私の御挨拶とさせていただく次第でございます。有り難うございました。



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