談話・コメント

岡田外務大臣談話

キルギス情勢について

平成22年6月14日

  1. キルギス南部で生じた新たな衝突により多数の死傷者が生じたことについて,我が国は犠牲となった全ての方々に心より哀悼の意を表するとともに,深い憂慮の念をもって事態の推移を注視しています。

  2. 我が国としては,全ての当事者が対話を通じて平和的な問題解決に当たることで,一刻も早く事態が収拾し,民主主義と憲法秩序が回復されることを期待しています。

【参考1】 今次情勢不安定化の経緯

(1)10日夜遅く、キルギス南部オシュ市においてキルギス系及びウズベク系の若者の間で衝突が発生し、これを発端として銃撃戦を伴う民族衝突に発展。11日未明から、暫定政府は緊急政府会合を開催し、オシュ市、ウズゲン市、オシュ州カラスイ地区及び同州アラバン地区において非常事態宣言を発出し、夜間外出禁止措置を導入。11日午後には、2両の装甲車と1台の軍用放水車が1組を成して巡回に当たり、治安機関は情勢の沈静化に努めたが、各所で住民の集合と解散、略奪や放火等が断続的に継続。なお、首都ビシュケク市においても、11日、中心部に近いオシュ・バザール周辺に群衆約1000名が集まり、乗合バスを占拠してオシュ州に向かおうとして、乱闘事件が発生した(負傷者29名)。

(2)オシュ市では、12日未明においても、発砲、群衆の衝突、略奪、ウズベク系住民の民家の放火が継続。オトゥンバエヴァ移行期大統領は、「オシュ州の情勢は完全な掌握下にはない。」と発言し、露軍の派遣を要請。13日午後、同市は、平穏を取り戻した模様。他方、13日、南部ジャララバード全州に対する非常事態令を発出し、外出禁止措置を導入。

【参考2】 キルギスにおけるウズベク系住民

キルギスでは、全人口550万人のうち、70%弱がキルギス人、約15%がウズベク系住民と言われている。今次衝突のオシュ市では、人口の4割近くがウズベク系住民。また、先月(5月19日)、南部ジャララバード州においても、ウズベク人とキルギス人による衝突が発生(死者数名)、治安機関により事態が沈静化されている。

【参考3】 キルギス政変の経緯(4月7日)

4月7日、キルギス首都ビシュケクにおいて反政府デモ隊と治安当局が衝突、これにより死者86名、負傷者約1,500名が発生。4月8日、野党側はオトゥンバエヴァ社会民主党党首を首班とする「暫定政府」を立ち上げ。他方、南部ジャララバード州に移動していたバキーエフ大統領は、当初は辞任を拒否していたが、4月15日、辞任を受け入れ国外に出国。19日、暫定政府は、新憲法に基づき選出される大統領が就任するまでの間、オトゥンバエヴァ議長を「移行期大統領」とする旨発表。今後、6月27日に憲法改正及びオトゥンバエヴァ移行期大統領就任(任期は2011年末まで)の是非を問う国民投票、10月10日に議会選挙が行われる予定となっている。

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