| (1) |
我が国及びECは、1916年AD法がWTO協定違反であるとしてWTOの紛争解決手続の下で申立てを行い、パネル及び上級委員会(appellate body)の審理を経て、2000年9月に同法のWTO協定違反が確定した。
|
| (2) |
しかしながら、米国がWTO勧告(1916年AD法をWTO協定と整合的なものとすること)を実施せず、2001年12月に実施期限が満了したため、2002年1月、我が国はWTOの紛争解決機関(DSB)に対し、対抗措置(1916年AD法と同様の内容の「ミラー法」を我が国として制定するとするもの)の承認を申請した。これに対し米国が対抗措置の規模・内容に異議を唱え、問題は仲裁(arbitration)に付託された。
|
| (3) |
2002年3月、日米間の合意により、同法廃止に向けての更なる時間的猶予を米国に与えるため、仲裁手続を中断、現在に至っている。EC・米国間の仲裁も同様に手続が停止されたが、2003年9月、ECの要請に基づき仲裁手続は再開され、本年2月、認められる対抗措置の規模は1916年AD法に基づく賠償の最終判決額及び和解額の累積的合計額を限度とするとの決定が出されている。ただし、米国内の訴訟で実際の損害が企業に発生していない段階での対抗措置の発動は認められないとの仲裁判断が示され、かつEC企業が1916年AD法に基づく米国内裁判で敗訴したことはないため、現時点ではECの対抗措置についての準備(WTOへの再申請及び対抗措置のための規則の制定)は進んでいない。
|
| (4) |
我が国は、1916年AD法が国際法(具体的にはWTO協定)違反であることが確定したにも拘らず、同法に基づく訴訟に日本企業が巻き込まれ、多額の損害を被り続ける事態が今も継続している(後述4.参照)ことを問題視している。WTOの紛争解決制度の信頼性を確保するとともに、我が国企業を救済する観点から、米国政府に対し、遡及効を有する廃止法案の早期成立を強く求めてきた。
|