外務報道官談話
わが国の原子力活動に対する国際原子力機関(IAEA)による統合保障措置の適用について
平成16年9月14日
- わが国は、今般、国際原子力機関(IAEA)よりわが国の原子力活動に対して統合保障措置を9月15日から適用する旨の通知がなされたことを歓迎する。
- わが国に対する統合保障措置の適用は、本年6月のIAEA理事会において、わが国の原子力活動については包括的保障措置協定および追加議定書に基づく検証活動の結果、保障措置下におかれた核物質の転用を示す兆候も未申告の核物質および原子力活動を示す兆候もないとの「結論」が出されたことに基づいて決定されたものである。大規模な原子力活動を行う国に対して統合保障措置が適用されるのはわが国が初めてのケースであり、極めて重要な意義を有するものと考える。
- 現下の国際社会において、IAEA保障措置に対する需要が増大する中、IAEAは限られた保障措置資源の有効活用によって保障措置活動の効率化を図ることが益々重要になってきており、統合保障措置の適用は、こうした観点からも有益である。
- わが国としては、引き続き、わが国の原子力活動に関する最大限の透明性を確保すべく、IAEAの保障措置活動に積極的に協力するとともに、IAEAの保障措置活動の一層の強化・効率化のために今後もIAEAに協力していく考えである。
(参考)
- 統合保障措置とは、従来型の保障措置と追加議定書に基づく保障措置との有機的な結合を図る概念であり、IAEAによって「結論」が導かれた国を対象に、従来型の保障措置に基づく通常査察を合理化するもの。
- 2003年度保障措置実施報告書(SIR)によると、統合保障措置が既に適用されている国は、オーストラリア、ノルウェーおよびインドネシアの3ヵ国のみ。
- なお、同SIRにおいて、わが国と同様に統合保障措置の適用の前提となる「結論」が初めて導出された国は(1)のとおりであり、前年に続いて同「結論」が導出された国は(2)のとおり。
(1)ブルガリア、エクアドル、ラトビア、リトアニア、ポーランド [計5ヵ国]
(2)オーストラリア、クロアチア、ガーナ、バチカン、ハンガリー、インドネシア、ヨルダン、モナコ、ニュー・ジーランド、ノルウェー、ペルー、スロベニア、ウズベキスタン [計13ヵ国]
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