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外務報道官談話

コソボ情勢について


平成15年10月15日


  1. わが国は14日(火)(現地時間)、ウィーンにおいて、セルビア共和国政府の代表者と、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)およびコソボ側代表者との間で、直接対話が開始されたことは、コソボ問題の解決に向けた当事者による真剣な努力の表れであり、重要な一歩として歓迎する。

  2. わが国は、ハリ・ホルケリ・コソボ問題担当国連事務総長特別代表の本件直接対話の開始に向けた粘り強い努力に深い敬意を表する。わが国としては、コソボ問題の解決は国連安保理決議1244に基づくべきと考えており、すべての関係者が慎重かつ抑制された対応を取ることを求めると共に、今後、この直接対話が継続されることにより、当事者間の信頼が醸成され、コソボの抱える諸問題に関する具体的な合意につながることを強く期待する。

  3. また、わが国は、コソボ情勢の安定化が南東欧地域全体の安定と繁栄にとって重要であるとの認識の下、本件直接対話を含めその進展を注意深く見守りながら、国際社会とも協調しつつ、引き続き南東欧地域の安定と繁栄に協力していく。

    (参考)

    1. 直接対話に至る経緯
      (1)セルビア・モンテネグロのコソボ地方では、1999年の紛争終結後、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)による統治が行われているが、現在、2000年11月に成立したコソボ暫定自治政府諸機構への権限委譲プロセスが進められている一方、少数派セルビア系住民は、帰還の自由や基本的人権の保障がない現状での権限委譲は時期尚早として、同プロセスに反対してきた。
      (2)しかし本年2月、シュタイナー前国連事務総長特別代表は、セルビア共和国政府に対し、閣僚級代表団をUNMIKとコソボ暫定自治政府諸機構の会合に招く旨の書簡を送付。議論を技術的な内容に限定すべきとするUNMIKとセルビア系住民の基本的人権の保障等も含めるべきとするセルビア政府の間で議題をめぐる対立があったものの、セルビア政府はU NMIKの提案を受け入れる決定をした。
      (3)本年3月にジンジッチ・セルビア首相が暗殺された後、直接対話の開始は延期されていたが、本年6月のEU・西バルカン・サミットの際、エネルギー、運輸・通信、難民帰還、行方不明者の捜索を議題として直接対話が早期開始されることが、関係当事者間で再確認された。
      (4)9月23日のコソボ問題に関するコンタクト・グループ(英国、米国、ドイツ、フランス、ロシア)会合の後、10 月中旬の本件直接対話の開始が発表された。

    2. 国連安保理決議1244に基づくコソボ問題の解決
      (1)コソボ紛争終結後採択された国連安保理決議1244では、「ユーゴ連邦(当時、現セルビア・モンテネグロ)の主権と領土的一体性」、「ユーゴ連邦の枠内におけるコソボの実質的自治」を確認する一方で、コソボの最終的地位については確定されず、時を待ちつつ徐々に問題の解決を図る手法が取られることとなった。
      (2)2002年4月、シュタイナー前特別代表は、法の支配、移動・帰還の自由の保障、財産権の明確化等8つの基準を提示し、コソボの最終的地位に関する議論開始の前提として右基準が満たされるべきとする「地位の前に基準(Standards before Status)」政策が打ち出された。
      (3)本件直接対話においては、コソボの最終的地位については、議論されないこととなっている。




外務報道官談話 / 平成15年 / 目次


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