外務報道官コメント
イラン・リビア制裁延長法の発効について
平成13年8月8日
- イラン・リビア制裁延長法（ILSA:Iran and Libya Sanctions Extension Act of 2001）については、8月3日にブッシュ大統領が署名し、発効したものと承知している。
- わが国としては、本法は、国際法上許容されない国内法の域外適用になり得るだけでなく、また、WTO（世界貿易機関）協定との整合性の問題も生じる可能性があると考えるところ、係る問題点については、従来よりくり返し、米側に申し入れを行ってきた。
- このような申し入れにもかかわらず、依然上述の問題点を孕んだままの形で同法が延長されたことは遺憾である。米国行政府が国際法との整合性を確保しつつ本法を慎重に運用することを強く求めたい。
- なお、国際社会が有するイラン・リビアを巡る懸念については、今後ともわが国としても両国と率直に対話を行っていく。
（参考）同法概要
| （1） |
1996年8月5日にイランおよびリビアによる大量破壊兵器の獲得および国際テロ支援に関する努力を阻止することを目的として成立（有効期限：5年間）し、今般延長された同法は、イランおよびリビアに関し、年間2000万ドル以上の「投資」を行い、右が「石油資源開発に著しくかつ直接貢献した」と大統領が判断する者に対し、以下の6つの制裁のうち2つ以上の制裁を課すことを規定。
- 米国輸出入銀行による制裁対象者への輸出支援の禁止
- 米国当局による制裁対象者向けの輸出許可発行の禁止
- 米国金融機関による制裁対象者への年間1000万ドル以上の融資の禁止
- 制裁対象者が金融機関である場合、右金融機関の米国債引受け等の禁止
- 制裁対象者からの政府調達の禁止
- 米国の「国際緊急事態経済権限法」に基づく制裁対象者からの輸入制限
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| （2） |
なお、今次延長法においては、5年間の延長後24カ月以降30カ月以内に、大統領が同法の終了又は修正に関する勧告を含み得る報告を議会に提出することを義務づける条項が加えられている。 |
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