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日本国政府は、4月5日、ロッカビー事件の二人の容疑者が裁判のためにオランダに到着したとのアナン国連事務総長の安保理議長への報告を心より歓迎する。この報告を受けて対リビア制裁措置は停止された。わが国は、10年にわたるロッカビー事件の解決に向けて、全ての当事者が行ってきた忍耐強い努力を高く評価する。
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わが国は、制裁の停止に加え、今後、関連国連安保理決議に従い、制裁が可能な限り早期に解除されることを期待している。
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(参考)
- 88年12月21日、ロンドン発ニューヨーク行パンナム機がスコットランドのロッカビー上空で爆発し墜落(犠牲者は邦人1名を含む270名)。91年、米、英司法当局は、リビア政府関係者2名が時限爆弾を仕掛けたとして両名を起訴。
- 92年1月、リビア政府に対し関係国の要請に応えるよう要請する国連安保理決議731が採択されたが、リビア側がこれに答えなかったため、同年3月より、航空機のリビアへの乗り入れの禁止、リビア在外資産の凍結等を内容とする制裁措置が国連安保理決議(748および883)に基づき課せられていた。
- リビアが英米への容疑者引き渡しに応じなかったため、事態は数年にわたり膠着していたが、昨年8月、英米両国は、オランダにおいてスコットランドの法律の下で裁判を行うことに同意し、同月末、この提案を実施に移すための安保理決議1192が採択され、リビアが容疑者を実際にオランダに引き渡すかどうかが焦点となっていた。
- 3月19日、リビアはロッカビー事件の二人の容疑者を引き渡す旨の決定をアナン国連事務総長に伝え、23日、国連安保理議長はこれを歓迎する旨の声明を発表した。
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