寄稿・インタビュー

ボルネオ・ブレティン紙(ブルネイ)への河野外務大臣寄稿

(2018年2月11日付)

平成30年2月14日

 今回,日本の外務大臣として5年ぶりに,この美しい国を改めて訪問できたことを大変嬉しく思います。私は1990年代の初め,民間会社の社員としてシンガポールに駐在していましたが,その際,2回ブルネイを訪問したことを懐かしく思い出します。

 日本とブルネイは,共にアジアにおける立憲君主制の国家として,緊密な友好関係を育んできました。日本は長年にわたりブルネイにとって最大の貿易相手国であり,ブルネイ産LNG輸出額の64%は日本向けです。それだけでなく,多くの日本企業がブルネイの経済多角化に向け,メタノール事業,抗酸化作用に注目が集まるアスタキサンチンの原料となる藻の培養事業,油井管ねじ切り事業,水素サプライチェーン実証事業等に出資しています。

 本日,海上自衛隊の練習船がムアラ港に寄港します。今後,防衛協力も含め,日・ブルネイ関係を幅広い分野で多層的に発展させていきたいと思います。

 2015年以来,ASEANの対日調整国を務めておられるブルネイとは,地域の諸課題についても,対話を深めたいと考えています。日本が各国から輸入している原油の約80%がブルネイの沖合,南シナ海を通って日本に届きます。法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序は,国際社会の安定と繁栄の礎であり,海上輸送に高度に依存する日・ブルネイ両国の共通の関心事項です。日本はインド太平洋地域の自由で開かれた海洋秩序を,いずれの国にも分け隔てなく安定と繁栄をもたらす国際公共財にするため,ブルネイと手を携えて,自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力を進めて行く考えです。

 また,国際社会の懸念を無視して核・ミサイル開発を強行し,これまでにない脅威となっている北朝鮮に対しては,国連安保理決議の完全な履行を含め,北朝鮮に政策を変えさせるため,あらゆる手段により,国際社会の圧力を最大限まで高めなければなりません。この点でも,対日調整国であるブルネイと連携し,ASEANの結束を図りたいと考えます。

 さらに,TPPの原加盟国であるブルネイとは,共に自由貿易の旗手として,自由で公正な貿易・投資ルールを推進し,地域内の経済連携に積極的に協力していく考えです。この点,3月8日に署名式を予定しているTPP11の早期実現や質の高いRCEPの早期妥結実現に向け,引き続きブルネイと緊密に協力していきたいと考えております。

 ブルネイは,熱帯雨林や美しい海などの豊かな自然,文化に恵まれ,多くの日本人観光客を引き寄せる魅力に溢れています。日本も,世界各国から年間3千万人近い観光客を集めており,2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて,観光客の数はまだまだ伸びることでしょう。日本とブルネイとの間のビジネス・観光を含む人的交流を一層盛んにできればよいと考えています。

 ブルネイでは,漫画・アニメ,コスプレ,日本語,日本食なども大変人気があり,青少年交流・留学生交流・スポーツ交流なども近年益々盛んになっており,今回の訪問が,ブルネイ国民の皆様の日本への関心を高め,日・ブルネイ関係の更なる強化につながることを期待しています。


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