寄稿・インタビュー

ライニッシェ・ポスト紙(ドイツ)への岸田外務大臣寄稿

(2017年6月10日)

「多彩な魅力を持つ日本」

平成29年6月28日

 日本とドイツは,自由,民主主義,法の支配等といった基本的価値を共有するパートナーです。両国は地理的には離れていますが,政治面では,ハイレベルでの活発な交流が行われ,国際社会の諸課題につき緊密に協力しています。私も大臣就任以来,4回ドイツを訪れました。また,経済面では,本年3月にハノーバーで行われたCeBIT(情報通信見本市)において日本はパートナー国となり,過去最多の118社による日本企業が出展するなど,両国間の結びつきはこれまでになく強まっています。
 そのような中,特に,ノルトライン=ヴェストファーレン州は,戦後,欧州における日本企業の一大集積地として,また,ドイツにおける日本文化の発信地として,60年以上にわたり,経済・文化交流両面で日独の架け橋となり,同州における両国国民間の絆は大変固いものとなっています。私も本年2月に同州を訪問し,このような同州が担う重要な役割を実感しました。
 活発な日独間の交流は経済面に留まらず,スポーツや文化・芸術面等,ドイツ全土で様々な分野に広がっています。サッカーブンデスリーガでは,ボルシア・ドルトムントの香川真司選手やシャルケ04の内田篤人選手を始め,多くの日本人選手が活躍しています。また,寿司や鉄板焼き等の日本食は既にドイツの社会に溶け込み,ドイツ各地の日本食レストランは多くのドイツの方々に人気があります。また,日本の精神性が表れた茶道や華道,19世紀のジャポニスムに影響を与えた浮世絵,重厚な演奏を奏でる和太鼓等の伝統的な日本文化・芸術は,多くのドイツの方々に好まれています。
 さらには,近年は漫画やJ-POPなどの日本のポップカルチャー,そしてロボット技術を始めとするハイテク産業技術等に特にドイツの若い方々に関心を持っていただき,これらをきっかけとして,ドイツの大学で日本学の人気が増していると聞いています。毎年デュッセルドルフで開催される日本文化紹介イベントの「日本デー」に約75万人が訪れることは,多くのドイツの方々に日本文化を身近に感じていただいている証として,大変嬉しく思います。
 しかし,異文化を実際に肌で感じるためには,やはりその国を訪問してみることが一番です。日本には,まだまだドイツの方々に知られていない多彩な魅力があります。例えば,ユネスコ世界遺産には現在日本から20件の遺産が登録されており,また国土は海に囲まれ,その約70%が森林や山岳地帯と,豊かな自然に恵まれた国でもあります。2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。現在,我が国は,最先端技術を活用した革新的な出入国審査の実現,通信環境の飛躍的向上,外国人患者受入体制の充実等,全ての旅行者がストレスなく快適に観光を満喫し,日本を体感していただけるよう環境整備を進めています。是非一度日本を訪れていただき,その魅力を感じていただければと思います。
 前述のとおり本年2月にノルトライン=ヴェストファーレン州を訪問した際,デュッセルドルフ日本人学校に対し桜の苗木2本を贈呈しました。私は,この桜の苗木がこの地に深く根を下ろした日本人社会の様に,しっかりと根を張り,今後成長をし,素晴らしい桜の花を咲かせるものと信じております。そして,この桜の苗木同様に,日独関係が今後更に安定的かつ強固に成長し,市民レベルの交流が一層美しい花を咲かせることを期待しております。


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